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June 11, 2015 Vol. 372 No. 24

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女子大学生のための性的暴行抵抗プログラムの有効性
Efficacy of a Sexual Assault Resistance Program for University Women

C.Y. Senn and Others

背景

女子大学生は,主に知人男性による性的暴行を受けるリスクがかなり高いが,このリスクを低減するための有効な戦略はまだわかっていない.

方 法

カナダの 3 つの大学で,1 年生の女子大学生を,「性的暴行に対する評価・認識・行動向上のための性的暴行抵抗プログラム」(抵抗群)と,大学で一般的に行われている,性的暴行に関するパンフレットを配布するセッション(対照群)に無作為に割り付けた.抵抗プログラムは,3 時間を 1 単位として 4 単位で構成され,知人男性による性的暴行のリスクを評価し,危険を認識する際の感情的障壁を克服し,口頭・物理的手段によって自己防衛を効果的に行えることを目標として,情報の提供と,護身術の指導・練習を行う.主要評価項目は,1 年間の追跡調査期間におけるレイプ既遂とし,性的被害調査・簡易版(Sexual Experiences Survey–Short Form Victimization)を用いて評価した.

結 果

451 人を抵抗群に,442 人を対照群に無作為に割り付けた.抵抗群に割り付けられた女性のうち,91%が 4 単位のうち 3 単位以上に出席した.1 年の時点で,レイプ既遂のリスクは抵抗群のほうが対照群よりも有意に低かった(5.2% 対 9.8%,相対リスク低下 46.3% [95%信頼区間 6.8~69.1],P=0.02).レイプ未遂のリスクも抵抗群のほうが有意に低かった(3.4% 対 9.3%,P<0.001).

結 論

綿密にデザインされ実施された性的暴行抵抗プログラムは,大学 1 年生の女性におけるレイプ,レイプ未遂,その他の被害の発生を減少させることに成功した.(カナダ健康研究所およびウィンザー大学より研究助成を受けた.SARE 試験:ClinicalTrials.gov 番号 NCT01338428)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 2326 - 35. )