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February 19, 2015 Vol. 372 No. 8

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乳児血管腫における経口プロプラノロールの無作為化比較試験
A Randomized, Controlled Trial of Oral Propranolol in Infantile Hemangioma

C. Léauté-Labrèze and Others

背景

経口プロプラノロールは合併症を伴う乳児血管腫の治療に用いられるようになったが,その使用に関する無作為化比較試験のデータは限られている.

方 法

全身療法を必要とする増殖性乳児血管腫の生後 1~5 ヵ月の患児を対象に,小児用経口プロプラノロール溶液の有効性と安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検適応デザイン第 2/3 相試験を行った.患児を,プラセボを投与する群と,プロプラノロールを 4 通りのレジメン(1 mg/kg 体重/日または 3 mg/kg 体重/日を,3 ヵ月間または 6 ヵ月間)のいずれかで投与する群に無作為に割り付けた.最終有効性解析で検討するレジメンを決定する目的で,事前に計画した中間解析を行った.主要評価項目は 24 週の時点での試験治療の成功(標的血管腫の完全消失またはほぼ完全消失)または失敗とし,中央における標準化された写真の盲検下での独立した評価により判定した.

結 果

無作為化した 460 例のうち 456 例が治療を受けた.24 週の試験治療を終えた最初の 188 例の中間解析をもとに,最終有効性解析にはプロプラノロール 3 mg/kg/日を 6 ヵ月間投与するレジメンを選択した.治療成功の頻度は,このレジメンのほうがプラセボよりも高かった(60% 対 4%,P<0.001).5 週の時点までに改善がみられたのは,このレジメンで投与した患児では 88%であったのに対し,プラセボを投与した患児では 5%であった.プロプラノロール治療が成功した患児のうち,10%が追跡調査中に全身療法を再度必要とした.プロプラノロールに関連する既知の有害事象(低血糖,低血圧,徐脈,気管支痙攣)の発現頻度は低く,プラセボ群とプロプラノロール群とのあいだで有意差は認められなかった.

結 論

この試験により,乳児血管腫の治療にはプロプラノロール 3 mg/kg/日を 6 ヵ月間投与するレジメンが有効であることが示された.(Pierre Fabre Dermatologie 社から助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01056341)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 735 - 46. )