The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 22, 2015 Vol. 373 No. 17

人工膝関節全置換術の無作為化比較試験
A Randomized, Controlled Trial of Total Knee Replacement

S.T. Skou and Others

背景

米国では年間 670,000 件以上の人工膝関節全置換術(TKR)が行われている.しかし,保存的治療との比較で TKR の有効性を支持する質の高い根拠は不足している.

方 法

無作為化比較試験において,中等度~重度の変形性膝関節症で,片側 TKR の適応がある患者 100 例を登録した.対象を,TKR を施行し,その後 12 週間の保存的治療を行う群(TKR 群)と,12 週間の保存的治療のみを行う群(保存的治療群)に無作為に割り付けた.保存的治療は運動,教育,食事の指導,足底板の使用,鎮痛薬の使用とし,理学療法士と栄養士が行った.主要転帰は,変形性関節症転帰スコア(KOOS)の下位尺度のうち,疼痛,症状,日常生活動作,QOL の 4 つのスコア(KOOS4,スコアの範囲は 0 [最悪] ~100 [最良])の平均の,ベースラインから 12 ヵ月の時点までの変化とした.

結 果

95 例が 12 ヵ月の追跡評価を完了した.保存的治療群では,13 例(26%)が 12 ヵ月の時点での追跡調査までに TKR を受けており,TKR 群では,1 例(2%)が保存的治療のみを受けた.intention-to-treat 解析では,TKR 群のほうが保存的治療群よりも KOOS4 スコアが大きく改善した(32.5 対 16.0,補正後の差の平均 15.8 [95%信頼区間 10.0~21.5]).重篤な有害事象の発現数は,TKR 群のほうが保存的治療群よりも多かった(24 対 6,P=0.005).

結 論

変形性膝関節症で片側 TKR の適応がある患者では,TKR 施行後に保存的治療を行うほうが,保存的治療のみを行うよりも,12 ヵ月後の疼痛緩和と機能改善の程度が大きかった.しかし,重篤な有害事象の発現数は TKR 群のほうが保存的治療群よりも多く,保存的治療群に割り付けられた患者の大半は,12 ヵ月の時点での追跡調査までに TKR を受けなかった.(オベルファミリー財団ほかから研究助成を受けた.MEDIC 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01410409)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 1597 - 606. )