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October 22, 2015 Vol. 373 No. 17

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妊娠中の熱帯熱マラリア原虫数,免疫,疾患の変化動向
Changing Trends in P. falciparum Burden, Immunity, and Disease in Pregnancy

A. Mayor and Others

背景

マラリアの根絶を目指すうえで,再感染と再燃の予防は不可欠な要素である.しかし,マラリアの再燃がもたらす有害な影響については明らかにされていない.

方 法

2003~12 年に出産したモザンビークの女性 1,819 人において,熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)感染の有病率を評価した.顕微鏡検査,組織学的検査,定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)検査と,2 種類の原虫株に対する IgG 抗体反応のフローサイトメトリー解析を行った.

結 果

qPCR による熱帯熱マラリア原虫陽性率は,2003 年の 33%から,2010 年には 2%に低下し,2012 年には 6%に上昇した.抗マラリア IgG 抗体反応は,これらの動向と一致していた.qPCR での末梢血中の原虫密度は,2010~12 年(幾何平均 [±SD] 409±1,569 ゲノム/μL)のほうが 2003~05 年(44±169 ゲノム/μL)よりも高く(P=0.02),組織学的評価による胎盤血中の原虫密度も同様であった(感染赤血球中の割合 50±39% 対 4±6%,P<0.001).マラリアに関連した母体のヘモグロビン低下は,2010~12 年(感染女性 10.1±1.8 g/dL 対 非感染女性 10.9±1.7 g/dL,差の平均 -0.82 g/dL,95%信頼区間 [CI] -1.39~-0.25)のほうが 2003~05 年(10.5±1.1 g/dL 対 10.6±1.5 g/dL,差の平均 -0.12 g/dL,95% CI -0.67~0.43)よりも大きく,児の出生体重の低下も同様であった(2010~12 年:感染の既往,または慢性感染を有する女性 2,863±440 g 対 非感染女性 3,070±482 g,差の平均 -164.5 g,95% CI -289.7~-39.4;2003~05 年:2,994±487 g 対 3,117±455 g,差の平均 -44.8 g,95% CI -139.1~49.5).

結 論

妊娠女性において,マラリアの有病率は 5 年間で低下したのち,抗マラリア抗体は減少し,熱帯熱マラリア原虫感染の有害な影響が増加した.(マラリア根絶科学同盟ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 1607 - 17. )