November 5, 2015 Vol. 373 No. 19
進行性腎細胞癌に対するニボルマブとエベロリムスとの比較
Nivolumab versus Everolimus in Advanced Renal-Cell Carcinoma
R.J. Motzer and Others
治療歴を有する進行性腎細胞癌患者を対象としたプログラム細胞死 1(PD-1)チェックポイント阻害薬であるニボルマブの非対照試験では,全生存に有望な結果が示された.治療歴を有する腎細胞癌患者を対象に,ニボルマブをエベロリムスと比較する無作為化非盲検第 3 相試験を行った.
1 種類または 2 種類の血管新生阻害薬レジメンによる治療歴を有する進行性の淡明細胞型腎細胞癌患者 821 例を,ニボルマブ 3 mg/kg 体重を 2 週ごとに静脈内投与する群と,エベロリムス錠 10 mg を 1 日 1 回経口投与する群に,(1:1 の割合で)無作為に割り付けた.主要評価項目は全生存期間とした.副次的評価項目は,客観的奏効率,安全性などとした.
全生存期間中央値は,ニボルマブ群 25.0 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 21.8 ~推定不能),エベロリムス群 19.6 ヵ月(95% CI 17.6~23.1)であった.ニボルマブ群のエベロリムス群に対する死亡のハザード比は 0.73(98.5% CI 0.57~0.93,P=0.002)であり,事前に規定した優越性の基準(P≦0.0148)を満たした.客観的奏効率は,ニボルマブ群のほうがエベロリムス群よりも高かった(25% 対 5%,オッズ比 5.98 [95% CI 3.68~9.72],P<0.001).無増悪生存期間中央値は,ニボルマブ群 4.6 ヵ月(95% CI 3.7~5.4),エベロリムス群 4.4 ヵ月(95% CI 3.7~5.5)であった(ハザード比 0.88,95% CI 0.75~1.03,P=0.11).グレード 3 または 4 の治療関連有害事象は,ニボルマブ投与例の 19%とエベロリムス投与例の 37%に発現し,もっとも頻度が高かったのは,ニボルマブ投与例では疲労(患者の 2%),エベロリムス投与例では貧血(8%)であった.
治療歴を有する進行性腎細胞癌患者において,ニボルマブ群のほうがエベロリムス群よりも全生存期間が長く,グレード 3 または 4 の有害事象が少なかった.(Bristol-Myers Squibb 社から研究助成を受けた.CheckMate 025 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01668784)