The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 5, 2015 Vol. 373 No. 19

妊娠中に癌と診断された母親から出生した児の転帰
Pediatric Outcome after Maternal Cancer Diagnosed during Pregnancy

F. Amant and Others

背景

母親が妊娠中に癌と診断され,治療の有無を問わず胎内でその癌に曝露した児の長期転帰に関するデータは不足している.

方 法

多施設共同症例対照研究で妊娠中に癌と診断された母親の児を,癌と診断されていない母親の児とマッチさせて比較した.健康に関する質問票と診療録を用いて,新生児健康状態と全身健康状態に関するデータを収集した.全例を,生後 18 ヵ月または 36 ヵ月,あるいはその両方の時点で前向きに評価した(神経学的検査とベイリー乳幼児発達検査).心臓の評価を生後 36 ヵ月の時点で行った.

結 果

129 例(中央値生後 22 ヵ月 [12~42])を母親が癌を有する群(胎内曝露群)に組み入れ,同数の児を対照群に組み入れた.母親が妊娠中に化学療法(単独またはほかの治療との併用)を受けた児は 96 例(74.4%),放射線療法(単独または併用)を受けた児は 11 例(8.5%),手術のみを受けた児は 13 例(10.1%),その他の薬物治療を受けた児は 2 例(1.6%)で,治療を受けなかった児は 14 例(10.9%)であった.出生体重が 10 パーセンタイル未満であった児は,胎内曝露群 127 例中 28 例(22.0%),対照群 125 例中 19 例(15.2%)であった(P=0.16).ベイリー検査スコアに基づく認知発達に群間で有意差は認められず(P=0.08),サブグループ解析でも認められなかった.出生時の在胎期間は両群の認知転帰と相関した.生後 36 ヵ月の時点で心臓の評価を受けた 47 例に異常所見は認められなかった.

結 論

母親の癌に,治療の有無を問わず胎内で曝露しても,乳幼児期における認知発達,心臓発達,全身発達に障害はみられなかった.早産はより不良な認知転帰と相関したが,その影響は癌治療とは独立していた.(フランダース研究基金ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00330447)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 1824 - 34. )