The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 19, 2015 Vol. 373 No. 21

乳癌における 21 個の遺伝子の発現解析の前向き検証
Prospective Validation of a 21-Gene Expression Assay in Breast Cancer

J.A. Sparano and Others

背景

保存腫瘍検体を用いた前向き・後ろ向きデザインの先行研究では,遺伝子発現解析によって臨床的に有用な予後情報が得られることが示されている.しかし,前向きに,同一の治療を受ける集団を対象に行われる試験では,バイオマーカーの臨床的妥当性と有用性を支持する最高レベルのエビデンスがもたらされる.

方 法

ホルモン受容体陽性,ヒト上皮増殖因子受容体 2 型(HER2)陰性の腋窩リンパ節転移陰性乳癌で,最大径 1.1~5.0 cm(または最大径 0.6~1.0 cm で,中悪性度または高悪性度)の腫瘍を有し,臨床病理学的特徴が確立したガイドラインの補助化学療法の推奨基準を満たしている女性を対象に,前向き試験を行った.パラフィン包埋腫瘍組織から RNA を抽出し,逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法を用いて 21 個の遺伝子の解析を行い,その結果をもとに乳癌再発のリスクを示すスコアを算出した.再発スコア(0~100 の尺度で,スコアが高いほど再発リスクが高いことを示す)が 0~10 で,再発リスクがきわめて低い患者は,化学療法を併用しない内分泌療法のみに割り付けた.

結 果

登録した 10,253 例のうち,再発スコアが 0~10 であった 1,626 例(15.9%)を,化学療法を併用しない内分泌療法のみに割り付けた.5 年の時点で,この患者集団における浸潤性疾患のない生存率は 93.8%(95%信頼区間 [CI] 92.4~94.9),無遠隔転移生存率は 99.3%(95% CI 98.7~99.6),無遠隔転移・無局所再発生存率は 98.7%(95% CI 97.9~99.2),全生存率は 98.0%(95% CI 97.1~98.6)であった.

結 論

臨床病理学的特徴が確立したガイドラインの補助化学療法の推奨基準を満たしている,ホルモン受容体陽性,HER2 陰性の腋窩リンパ節転移陰性乳癌患者のうち,遺伝子発現プロファイルが良好な腫瘍を有する患者は,内分泌療法のみで 5 年再発率がきわめて低かった.(米国国立がん研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00310180)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 2005 - 14. )