The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 3, 2015 Vol. 373 No. 23

HIV-1 感染のリスクが高い男性に対するオンデマンド曝露前予防
On-Demand Preexposure Prophylaxis in Men at High Risk for HIV-1 Infection

J.-M. Molina and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)感染のリスクは抗レトロウイルス薬による曝露前予防で低減させられることがいくつかの試験で示されているが,矛盾する結果も報告されている.おそらくこれは,薬を毎日服用するレジメンの遵守が困難であるためである.

方 法

コンドームを使用せずに男性と肛門性交を行う男性を対象に,HIV-1 曝露前予防のための抗レトロウイルス療法の二重盲検無作為化試験を行った.参加者を,性交渉前後にテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)とエムトリシタビン(FTC)の合剤を服用する群と,プラセボを服用する群に無作為に割り付けた.すべての参加者に対し,リスク低減に関するカウンセリングとコンドームの提供を行い,HIV-1,HIV-2,およびその他の性感染症の検査を定期的に行った.

結 果

無作為化された 414 例のうち,HIV に感染していない 400 例を登録した(TDF-FTC 群 199 例,プラセボ群 201 例).すべての参加者を中央値 9.3 ヵ月(四分位範囲 4.9~20.6)追跡した.追跡期間中に 16 例が HIV-1 に感染した.内訳は TDF-FTC 群 2 例(発生率 100 人年あたり 0.91),プラセボ群 14 例(発生率 100 人年あたり 6.60)で,TDF-FTC 群における 86%(95%信頼区間 40~98)の相対的低下が認められた(P=0.002).参加者が服用した錠剤数の中央値は TDF-FTC 群,プラセボ群ともに 1 ヵ月あたり 15 錠であった(P=0.57).重篤な有害事象の発生率は両群で同程度であった.TDFFTC 群では,プラセボ群と比較して消化器系有害事象の発現率(14% 対 5%,P=0.002),腎臓有害事象の発現率(18% 対 10%,P=0.03)が高かった.

結 論

男性間性交渉者では,TDF-FTC を性交渉の前後に服用することにより,HIV-1 感染を防御することができた.TDF-FTC の投与は,消化器系および腎臓の有害事象の発現率がより高いことと関連した.(フランス国立エイズ・ウイルス性肝炎研究機関ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01473472)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 2237 - 46. )