December 31, 2015 Vol. 373 No. 27
C 型肝炎ウイルス遺伝型 2 型および 3 型感染に対するソホスブビル・ベルパタスビル配合錠
Sofosbuvir and Velpatasvir for HCV Genotype 2 and 3 Infection
G.R. Foster and Others
C 型肝炎ウイルス(HCV)遺伝型 2 型または 3 型の C 型慢性肝炎患者で,ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビルと NS5A 阻害薬ベルパタスビル(velpatasvir)を併用した第 2 相試験では,高いウイルス排除(SVR)率が得られた.
HCV 遺伝型 2 型または 3 型の,代償性肝硬変を有する例を含む既治療患者,未治療患者の両方を対象とする 2 件の第 3 相無作為化非盲検試験を行った.1 件目の試験では,HCV 遺伝型 2 型の患者を,ソホスブビル・ベルパタスビルの固定用量配合錠を 1 日 1 回 12 週間投与する群(134 例)と,ソホスブビル+体重から算出した投与量のリバビリンを 12 週間投与する群(132 例)に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.2 件目の試験では,HCV 遺伝型 3 型の患者を,ソホスブビル・ベルパタスビル配合錠を 1 日 1 回 12 週間投与する群(277 例)と,ソホスブビル+リバビリンを 24 週間投与する群(275 例)に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は両試験とも,治療終了後 12 週の時点での SVR とした.
HCV 遺伝型 2 型の患者では,ソホスブビル・ベルパタスビル群の SVR 率は 99%(95%信頼区間 [CI] 96~100)であり,ソホスブビル+リバビリン群の 94%(95% CI 88~97)よりも優れていた(P=0.02).HCV 遺伝型 3 型の患者では,ソホスブビル・ベルパタスビル群の SVR 率は 95%(95% CI 92~98)であり,ソホスブビル+リバビリン群の 80%(95% CI 75~85)よりも優れていた(P<0.001).2 件の試験で頻度の高かった有害事象は疲労,頭痛,悪心,不眠であった.
HCV 遺伝型 2 型または 3 型の,代償性肝硬変を有する例を含む既治療患者,未治療患者の両方で,ソホスブビル・ベルパタスビル配合錠を 12 週間投与した群のほうが,標準治療のソホスブビル+リバビリン投与を行った群よりも優れた SVR 率が得られた.(Gilead Sciences 社から研究助成を受けた.ASTRAL-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02220998,ASTRAL-3 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02201953)