December 31, 2015 Vol. 373 No. 27
院外出産を予定していた出産と出生転帰
Planned Out-of-Hospital Birth and Birth Outcomes
J.M. Snowden and Others
米国では近年,院外(自宅や助産所)出産を予定している出産の頻度が増加している.院外出産を予定していた出産と病院出産とで周産期リスクを比較評価した研究の有用性は,分娩中に病院への搬送が必要になり,院外出産予定であった出産が病院出産と誤分類される例があり,限定的である.
病院出産を,院内出産予定であった出産と,分娩中に病院に搬送された,院外出産を予定していた出産に分けられるよう,新たに改訂されたオレゴン州の出生証明データを用いて,2012~13 年のオレゴン州におけるすべての出産について人口ベースの後ろ向きコホート研究を行った.予定されていた出産場所(院外または病院)に基づいて,周産期罹患率・死亡率,母体罹患率,産科的処置を評価した.
院外出産を予定していた出産は,院内出産を予定していた出産よりも周産期死亡リスクが高いことに関連していた(分娩 1,000 件あたり死亡 3.9 件 対 1.8 件,P=0.003;母親の特性および内科的疾患で補正後のオッズ比 2.43;95%信頼区間 [CI] 1.37~4.30;補正リスク差は出産 1,000 件あたり死亡 1.52 件;95% CI 0.51~2.54).院外出産を予定していた出産では,院内出産を予定していた出産と比較して,新生児発作のオッズが高く,新生児集中治療室入室のオッズが低かった.また,院外出産を予定していた出産は,補助を行わない経腟分娩(93.8%,これに対し院内出産を予定していた出産では 71.9%,P<0.001),および産科的処置のオッズ低下と強く関連した.
周産期死亡率は,院外出産を予定していた出産のほうが,院内出産を予定していた出産よりも高かったが,死亡の絶対リスクはどちらの出産場所でも低かった.(ユニス・ケネディ・シュライバー米国国立小児保健・人間発達研究所から研究助成を受けた.)