The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

December 31, 2015 Vol. 373 No. 27

開放骨折創傷の初期管理における創洗浄の臨床試験
A Trial of Wound Irrigation in the Initial Management of Open Fracture Wounds

The FLOW Investigators

背景

開放骨折の管理には,汚染を除去するために創洗浄とデブリードマンが必要であるが,洗浄に用いる圧力と溶液の違いによる有効性については議論が続いている.われわれは,高圧,低圧,超低圧の 3 つの洗浄圧と,カスチール石鹸水,生理食塩水の 2 つの洗浄液について効果を比較した.

方 法

41 の臨床施設で,四肢(鎖骨,肩甲骨を含む)の 1 ヵ所に開放骨折を受傷した患者を,3 つの洗浄圧(高圧 [>20 psi],低圧 [5~10 psi],超低圧 [1~2 psi])のいずれかと,2 つの洗浄液(カスチール石鹸水または生理食塩水)のいずれかで洗浄する群に無作為に割り付ける,2×3 要因デザインの試験を行った.主要評価項目は,指標手術後 12 ヵ月以内の,創傷治癒・骨治癒の促進または創傷感染治療のための再手術とした.

結 果

2,551 例を無作為化し,2,447 例が適格と判断され,最終解析の対象となった.再手術は,高圧群 826 例中 109 例(13.2%),低圧群 809 例中 103 例(12.7%),超低圧群 812 例中 111 例(13.7%)で行われた.一対比較のハザード比は,低圧群 対 高圧群で 0.92(95%信頼区間 [CI] 0.70~1.20,P=0.53),高圧群 対 超低圧群で 1.02(95% CI 0.78~1.33,P=0.89),低圧群 対 超低圧群で 0.93(95% CI 0.71~1.23,P=0.62)であった.石鹸水群では 1,229 例中 182 例(14.8%),生理食塩水群では 1,218 例中 141 例(11.6%)で再手術が行われた(ハザード比 1.32,95% CI 1.06~1.66,P=0.01).

結 論

再手術率は洗浄圧を問わず同程度であり,開放骨折の洗浄に関して,超低圧が忍容可能でコストの低い選択肢であることが示された.再手術率は,石鹸水群のほうが生理食塩水群よりも高かった.(カナダ保健研究機構ほかから研究助成を受けた.FLOW 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00788398)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 2629 - 41. )