August 13, 2015 Vol. 373 No. 7
再発または難治性の多発性骨髄腫に対するエロツズマブ療法
Elotuzumab Therapy for Relapsed or Refractory Multiple Myeloma
S. Lonial and Others
シグナル伝達リンパ球活性化分子 F7(SLAMF7)を標的とする免疫賦活性モノクローナル抗体エロツズマブ(elotuzumab)は,再発または難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした第 1b・2 相試験において,レナリドミド,デキサメタゾンとの併用により活性を示した.
第 3 相試験では,患者を,エロツズマブをレナリドミド+デキサメタゾンと併用投与する群(エロツズマブ群)と,レナリドミド+デキサメタゾンのみを投与する群(対照群)に無作為に割り付けた.複合主要評価項目は無増悪生存と全奏効率とした.複合主要評価項目の最終結果を,計画された無増悪生存の中間解析に基づいて報告する.
全体で 321 例をエロツズマブ群,325 例を対照群に割り付けた.追跡期間中央値は 24.5 ヵ月であった.1 年の時点での無増悪生存率は,エロツズマブ群 68%に対し対照群 57%であり,2 年の時点ではそれぞれ 41%,27%であった.無増悪生存期間中央値は,エロツズマブ群 19.4 ヵ月に対し対照群 14.9 ヵ月であった(エロツズマブ群の病勢進行または死亡のハザード比 0.70,95%信頼区間 0.57~0.85,P<0.001).全奏効率は,エロツズマブ群 79%に対し対照群 66%であった(P<0.001).2 群で高頻度に認められたグレード 3 または 4 の有害事象は,リンパ球減少,好中球減少,疲労,肺炎であった.投与時反応はエロツズマブ群の 33 例(10%)に発現し,29 例ではグレードが 1 または 2 であった.
再発または難治性の多発性骨髄腫患者に,エロツズマブ,レナリドミド,デキサメタゾンを併用投与した結果,病勢進行または死亡のリスクに 30%の有意な相対的低下が認められた.(Bristol-Myers Squibb 社,AbbVie Biotherapeutics 社から研究助成を受けた.ELOQUENT-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01239797)