The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 20, 2015 Vol. 373 No. 8

BRAF V600 変異陽性の悪性黒色腫以外の複数の癌に対するベムラフェニブ
Vemurafenib in Multiple Nonmelanoma Cancers with BRAF V600 Mutations

D.M. Hyman and Others

背景

BRAF V600 変異は,悪性黒色腫以外にもさまざまな癌種で生じる.BRAF V600 変異陽性悪性黒色腫に対する有効性が示されているベムラフェニブを,悪性黒色腫以外の BRAF V600 変異陽性癌患者で検討する,組織型とは独立した第 2 相「バスケット」試験を行った.

方 法

患者を癌種別に事前に規定した 6 つのコホートに登録し,それ以外の癌種の患者を第 7 のコホートに登録した.BRAF V600 変異陽性癌患者 122 例にベムラフェニブを投与した.このうち,結腸・直腸癌患者の 27 例にはベムラフェニブとセツキシマブを併用した.主要評価項目は奏効率とし,副次的評価項目は無増悪生存,全生存などとした.

結 果

非小細胞肺癌のコホートでは,奏効率は 42%(95%信頼区間 [CI] 20~67),無増悪生存期間中央値は 7.3 ヵ月(95% CI 3.5~10.8)であった.エルドハイム–チェスター病/ランゲルハンス細胞組織球症のコホートでは,奏効率は 43%(95% CI 18~71),治療期間中央値は 5.9 ヵ月(0.6~18.6)で,治療中に病勢進行を認めた患者はいなかった.多形黄色星細胞腫,甲状腺未分化癌,胆管癌,唾液腺導管癌,卵巣癌,明細胞肉腫の患者と,ベムラフェニブとセツキシマブを併用した結腸・直腸癌患者の少数で奏効が認められた.安全性は,悪性黒色腫に対するベムラフェニブの先行試験と同程度であった.

結 論

BRAF V600 は,悪性黒色腫以外の,すべてではないが一部の癌種において,標的となりうる癌遺伝子であると考えられる.非小細胞肺癌と,エルドハイム–チェスター病/ランゲルハンス細胞組織球症でベムラフェニブの予備的活性が認められた.BRAF V600 変異陽性癌では,組織型が奏効の重要な規定因子である.(F. Hoffmann–La Roche 社/Genentech 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01524978)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 726 - 36. )