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August 20, 2015 Vol. 373 No. 8

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ホルモン感受性転移性前立腺癌に対する化学ホルモン療法
Chemohormonal Therapy in Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer

C.J. Sweeney and Others

背景

アンドロゲン除去療法(ADT)は,1940 年代から,転移性前立腺癌に対する治療の中心になってきた.われわれは,ADT とドセタキセルの併用療法により,ADT 単独と比較して,全生存期間が延長するかどうかを評価した.

方 法

ホルモン感受性転移性前立腺癌患者を,ADT+ドセタキセル群(75 mg/m2 体表面積を 3 週間ごとに 6 サイクル)と ADT 単独群のいずれかに割り付けた.主要目的は,治療初期に ADT にドセタキセルを追加した患者では,ADT を単独で受けた患者よりも,全生存期間中央値が 33.3%延長するという仮説を検証することとした.

結 果

790 例(年齢中央値 63 歳)を無作為化した.追跡期間中央値 28.9 ヵ月の時点で,全生存期間中央値は,ADT+ドセタキセル群(併用群)のほうが ADT 単独群よりも 13.6 ヵ月長かった(57.6 ヵ月 対 44.0 ヵ月,併用群における死亡のハザード比 0.61,95%信頼区間 [CI] 0.47~0.80,P<0.001).生化学的,症状,または放射線学的に進行が認められるまでの期間の中央値は,併用群では 20.2 ヵ月であったのに対し,ADT 単独群では 11.7 ヵ月であった(ハザード比 0.61,95% CI 0.51~0.72,P<0.001).12 ヵ月の時点で前立腺特異抗原値が 0.2 ng/mL 未満であった患者の割合は,併用群では 27.7%であったのに対し,ADT 単独群では 16.8%であった(P<0.001).併用群におけるグレード 3 または 4 の発熱性好中球減少症の発生率は 6.2%,好中球減少症に伴うグレード 3 または 4 の感染症の発生率は 2.3%,グレード 3 の感覚性ニューロパチーの発生率とグレード 3 の運動ニューロパチーの発生率はいずれも 0.5%であった.

結 論

転移性前立腺癌に対し,ADT 初期に 6 サイクルのドセタキセル療法を行うことで,ADT 単独と比較して生存期間が有意に延長した.(米国国立がん研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00309985)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 737 - 46. )