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April 21, 2016 Vol. 374 No. 16

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再入院,経過観察,再入院削減プログラム
Readmissions, Observation, and the Hospital Readmissions Reduction Program

R.B. Zuckerman and Others

背景

米国の医療費負担適正化法(ACA)に含まれる再入院削減プログラム(HRRP)は,標的疾患による再入院率が予測よりも高かった病院には金銭的ペナルティを課すものである.一部の政策アナリストは,再入院の減少は,戻って来た患者を正式に再入院させるのではなく,経過観察室にとどめておくことで達成されているのではないかと危惧している.われわれは,標的疾患・非標的疾患による再入院率と経過観察室滞在の経時的変化を調査し,経過観察室の利用の増加が大きい病院では再入院の減少が大きいかどうかを評価した.

方 法

2007 年 10 月~2015 年 5 月のメディケアを受給している高齢者の請求データを用いて,病院単位での月ごとの再入院率と,退院後 30 日以内の経過観察室の利用を比較した.分割時系列モデルを用いて,傾向が変化する時点を明らかにし,それが標的疾患と非標的疾患とで異なるかどうかを検討した.また,ACA が施行された 2010 年 3 月以降に,再入院率の変化と,経過観察室の利用の変化とのあいだに相関が認められるかどうかを評価した.

結 果

3,387 病院のデータを解析した.2007 年から 2015 年に,標的疾患による再入院率は 21.5%から 17.8%に低下し,非標的疾患による再入院率は 15.3%から 13.1%に低下した.再入院率,とくに標的疾患による再入院率は ACA の可決後すぐに急速に低下し,その後も標的疾患による再入院率,非標的疾患による再入院率はともに低下し続け,2012 年 10 月以降は緩やかに低下し続けた.標的疾患による経過観察室滞在率は 2007 年の 2.6%から 2015 年には 4.7%に増加し,非標的疾患による滞在率は 2.5%から 4.2%に増加した.病院単位では,ACA 施行後の経過観察室滞在の変化と再入院の変化とのあいだに有意な関連は認められなかった.

結 論

再入院で認められた傾向は,ACA による,再入院削減に向けた,金銭的ペナルティを含むインセンティブに対する病院の対応と一致するものであった.再入院の減少が,経過観察室の利用の変化によるものであることを示す根拠は認められなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 374 : 1543 - 51. )