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February 11, 2016 Vol. 374 No. 6

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リードレス心腔内経カテーテルペーシングシステム
A Leadless Intracardiac Transcatheter Pacing System

D. Reynolds and Others

背景

リードレス心腔内経カテーテルペーシングシステムは,ペースメーカーポケットと経静脈リードの必要がないようにデザインされている.

方 法

前向き多施設共同非対照試験において,ガイドラインで心室ペーシングの適応がある患者に経カテーテルペースメーカーを植え込んだ.主要エンドポイントの解析は,300 例が 6 ヵ月の追跡調査を終了した時点で開始した.主要安全性エンドポイントは,システムまたは手技に関連する主要合併症がないこととした.主要有効性エンドポイントは,6 ヵ月時点でペーシングキャプチャー閾値が低く,かつ安定している(パルス幅 0.24 msec で≦2.0 V であり,かつ植込み時からの上昇が≦1.5 V)患者の割合とした.安全性および有効性のエンドポイントは,達成目標であるそれぞれ 83%および 80%(歴史的データに基づく)と比較して評価した.また,事後解析を実施し,主要合併症の発生率を,すでに発表されている 6 試験で経静脈ペースメーカーが植え込まれた 2,667 例から成る対照コホートにおける発生率と比較した.

結 果

デバイスの植込みは 725 例中 719 例(99.2%)で成功した.Kaplan–Meier 推定量による主要安全性エンドポイントの発生率は 96.0%(95%信頼区間 [CI] 93.9~97.3)であった(安全性の達成目標 83%との比較において P<0.001).主要合併症は 725 例中 25 例で 28 件発生し,デバイスの脱落は認められなかった.6 ヵ月時点のデータが得られた 297 例中 292 例における主要有効性エンドポイントの発生率は 98.3%(95% CI 96.1~99.5)であった(有効性の達成目標 80%との比較において P<0.001).主要合併症は 25 例で 28 件発生したものの,経カテーテルペースメーカーを植え込んだ患者では,対照患者よりもその発生率が有意に低かった(ハザード比 0.49,95% CI 0.33~0.75,P=0.001).

結 論

歴史的対照群と比較した今回の試験では,経カテーテルペースメーカーは,事前に規定した安全性・有効性の目標を達成した.経カテーテルペースメーカーは,ペーシング閾値が低く,かつ安定していながら,経静脈ペーシングシステムと同様の安全性プロファイルを有していた.(Medtronic 社から研究助成を受けた.Micra 経カテーテルペーシング試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02004873)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 374 : 533 - 41. )