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June 1, 2017 Vol. 376 No. 22

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治療歴のある C 型肝炎ウイルス感染に対するソホスブビル・ベルパタスビル・ボクシラプレビル配合錠
Sofosbuvir, Velpatasvir, and Voxilaprevir for Previously Treated HCV Infection

M. Bourlière and Others

背景

C 型肝炎ウイルス(HCV)慢性感染患者で,直接作用型抗ウイルス薬(DAA)を含むレジメンで治療してもウイルス排除(SVR)が得られない場合は,再治療選択肢が限られる.

方 法

DAA を含むレジメンでの治療歴のある患者を対象に 2 件の第 3 相試験を行った.POLARIS-1 試験では,NS5A 阻害薬を含むレジメンで治療歴のある,HCV 遺伝型 1 型の C 型肝炎患者を,ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル・NS5A 阻害薬ベルパタスビル(velpatasvir)・プロテアーゼ阻害薬ボクシラプレビル(voxilaprevir)の配合錠を 1 日 1 回 12 週間投与する群(150 例)と,マッチさせたプラセボを投与する群(150 例)に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.他の HCV 遺伝型に感染している患者(114 例)はソホスブビル・ベルパタスビル・ボクシラプレビル群に登録した.POLARIS-4 試験では,NS5A 阻害薬を含まない DAA レジメンで治療歴のある,HCV 遺伝型 1 型,2 型,3 型の C 型肝炎患者を,ソホスブビル・ベルパタスビル・ボクシラプレビル配合錠を 12 週間投与する群(163 例)と,ソホスブビル・ベルパタスビル配合錠を投与する群(151 例)に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.HCV 遺伝型 4 型の 19 例はソホスブビル・ベルパタスビル・ボクシラプレビル群に登録した.

結 果

実薬群の 3 群では患者の 46%が代償性肝硬変を有していた.POLARIS-1 試験では,SVR 率はソホスブビル・ベルパタスビル・ボクシラプレビル群では 96%であったのに対し,プラセボ群では 0%であった.POLARIS-4 試験では,SVR 率はソホスブビル・ベルパタスビル・ボクシラプレビル群では 98%であったのに対し,ソホスブビル・ベルパタスビル群では 90%であった.とくに頻度の高かった有害事象は,頭痛,疲労,下痢,悪心であった.両試験の実薬群で,有害事象により投与を中止した患者の割合は 1%以下であった.

結 論

DAA レジメンが無効であったすべての HCV 遺伝型の患者で,12 週間のソホスブビル・ベルパタスビル・ボクシラプレビル配合錠投与により,高い SVR 率が得られた.(Gilead Sciences 社から研究助成を受けた.POLARIS-1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02607735;POLARIS-4 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02639247)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 2134 - 46. )