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October 26, 2017 Vol. 377 No. 17

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小児の薬剤抵抗性てんかんに対する手術
Surgery for Drug-Resistant Epilepsy in Children

R. Dwivedi and Others

背景

薬剤抵抗性てんかんの小児・思春期児の発作は,脳神経外科的治療により改善する可能性があるが,無作為化試験によるさらなるデータが必要である.

方 法

単一施設試験で,18 歳以下の薬剤抵抗性てんかん患者 116 例を,てんかんの原因に応じた脳外科手術を適切な薬物療法とともに行う群(手術群 57 例)と,薬物療法のみを行う群(薬物療法群 59 例)に無作為に割り付けた.薬物療法群の患者は手術の待機リストに登録した.12 ヵ月の時点でてんかん発作がないことを主要評価項目とした.副次的評価項目は,ハーグてんかん発作重症度尺度(HASS)スコア,Binet–Kamat 式知能指数(BKT),バインランド社会的成熟尺度の社会生活指数(VSMS),小児の行動チェックリスト(CBCL)スコア,小児 QOL 調査(PedsQL)スコアとした.

結 果

12 ヵ月の時点でてんかん発作がなかった患者は,手術群で 44 例(77%),薬物療法群で 4 例(7%)であった(P<0.001).副次的評価項目のベースラインから 12 ヵ月までの変化の群間差は,HASS スコア(差 19.4,95%信頼区間 [CI] 15.8 ~ 23.1,P<0.001),CBCL スコア(差 13.1,95% CI 10.7~15.6,P<0.001),PedsQL スコア(差 21.9,95% CI 16.4~27.6,P<0.001),VSMS スコア(差 4.7,95% CI 0.4~9.1,P=0.03)については手術群のほうが有意に良好であったが,BKT に有意差は認められなかった(差 2.5,95% CI -0.1~5.1,P=0.06).手術群では重篤な有害事象が 19 例(33%)に発現し,そのうち 15 例(26%)は不全片麻痺であった.

結 論

この単一施設試験において,薬剤抵抗性てんかんでてんかん手術を行った小児・思春期児では,薬物療法のみを継続した児と比較して,12 ヵ月の時点でてんかん発作がない割合が有意に高く,行動および QOL に関するスコアが有意に優れていた.手術によって,想定されていた,脳の切除領域に関連する神経障害が発生した.(インド医療評議会ほかから研究助成を受けた.Clinical Trial Registry–India 登録番号 CTRI/2010/091/000525)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1639 - 47. )