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October 26, 2017 Vol. 377 No. 17

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てんかん手術で得られた脳組織の病理組織学的所見
Histopathological Findings in Brain Tissue Obtained during Epilepsy Surgery

I. Blumcke and Others

背景

てんかん発作の背景にある脳の構造的病変の詳細な神経病理学的情報は,薬剤抵抗性焦点性てんかんを理解するうえで有用である.

方 法

欧州 12 ヵ国の 36 施設で,25 年間に,薬剤抵抗性てんかん発作に対するてんかん手術を受けた 9,523 例の切除脳標本に基づく診断を報告する.標本の検討を,地方病院(41%)またはドイツ神経病理てんかん手術リファレンスセンター(59%)で行い,病理組織学的診断を確定した.

結 果

てんかんを 18 歳までに発症した割合は全体の 75.9%で,72.5%が成人後に手術を行った.切除前のてんかん罹病期間の平均は成人が 20.1 年,小児が 5.3 年であった.手術領域は 71.9%が側頭葉であった.7 つの主要疾患カテゴリーに分類される,36 の病理組織学的診断が認められた.とくに頻度の高かったカテゴリーは,海馬硬化症が全体の 36.4%(症例の 88.7%は成人),腫瘍(主に神経節膠腫)が 23.6%,皮質発達奇形(タイプは限局性皮質異形成がもっとも頻度が高く,症例の 52.7%は小児)が 19.8%であった.患者の 7.7%では病理組織学的な診断がつかなかった.

結 論

手術を要する薬剤抵抗性焦点性てんかん患者において,もっとも頻度の高かった病理組織学的診断は,成人では海馬硬化症,小児では限局性皮質異形成であった.腫瘍が両群で 2 番目に頻度が高かった.(欧州連合ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1648 - 56. )