連邦政府認定の医療機関におけるメディカルホームプロセスの実施
Implementation of Medical Homes in Federally Qualified Health Centers
J.W. Timbie and Others
2011~14 年に,「連邦政府認定の医療機関の高度プライマリケア診療デモンストレーション」は,連邦政府認定の医療機関の全米サンプル 503 施設に対して,全米品質保証委員会(NCQA)による最高(レベル 3)のメディカルホーム認定の達成を支援するための,ケア管理料と技術支援を提供した.メディカルホームの認定は,アクセス,継続性,調整を向上させるためのプロセスを実施していることが要件となる.
デモンストレーション施設と対照施設とで,メディカルホーム認定の達成を調査し,メディケアの請求と受給者調査を用いて,サービスの利用,ケアの質,患者経験,メディケア支出を比較検討した.difference-in-differences 解析を用いて,2 つの施設群の 3 年間における転帰の変化を比較した.
レベル 3 のメディカルホーム認定は,デモンストレーション施設の 70%と対照施設の 11%が受けていた.連邦政府認定の医療機関への来院数は 2 群で減少したが,デモンストレーション施設での減少が対照施設よりも小さかったため,デモンストレーション施設への来院は相対的に受給者 1,000 人あたり年間で 83 件の増加となった(P<0.001).デモンストレーション施設における眼検査と腎機能検査の年間の実施率の上昇も,同様の傾向から説明された(両方の比較について P<0.001).他の 3 つの処置指標に有意差は認められなかった.デモンストレーション施設では,対照施設と比較して,救急受診の増加(受給者 1,000 人あたり年間 30.3 件の増加,P<0.001),入院の増加(受給者 1,000 人あたり年間 5.7 件の増加,P=0.02),メディケアパート B 支出の増加(受給者 1 人あたり年間 37 ドルの増加,P=0.02)が大きかった.デモンストレーション施設の参加は,患者経験の評価指標の大半について,相対的改善に関連しなかった.
デモンストレーション施設では,対照施設と比較して,メディカルホームの認定率が高く,連邦政府認定の医療機関への来院数の減少が小さかった.これは,対照施設と比較してプライマリケアへのアクセスが良好であることを反映している可能性がある.デモンストレーション施設では,救急受診,入院,メディケアパート B 支出の増加がより大きかった.(メディケア・メディケイドサービスセンターから研究助成を受けた.)