The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 3, 2017 Vol. 377 No. 5

血管拡張性ショックの治療のためのアンジオテンシン II
Angiotensin II for the Treatment of Vasodilatory Shock

A. Khanna and Others

背景

高用量の昇圧薬に反応しない血管拡張性ショックは,高い死亡率に関連している.この状態の患者の治療におけるアンジオテンシン II の有効性を検討した.

方 法

ノルエピネフリン 0.2 mg/kg/分超または別の昇圧薬を同等の用量で投与されている血管拡張性ショック患者を,アンジオテンシン II を静注する群とプラセボを静注する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,静注開始から 3 時間後の平均動脈圧に対する効果とし,標準治療の昇圧薬を増量することなく平均動脈圧がベースラインから 10 mmHg 以上上昇していること,または 75 mmHg 以上に上昇していることと定義した.

結 果

344 例を 2 つのレジメンのいずれかに割り付けた.このうち試験介入を受けた 321 例(アンジオテンシン II 投与 163 例,プラセボ投与 158 例)を解析対象とした.主要エンドポイントに達した患者は,アンジオテンシン II 群(163 例中 114 例,69.9%)のほうがプラセボ群(158 例中 37 例,23.4%)よりも多かった(オッズ比 7.95,95%信頼区間 [CI] 4.76~13.3,P<0.001).48 時間の時点で,心血管関連臓器不全評価(SOFA)スコア(0~4 点で,スコアが高いほど機能障害が重度であることを示す)の改善の平均は,アンジオテンシン II 群のほうがプラセボ群よりも大きかった(-1.75 対 -1.28,P=0.01).重篤な有害事象は,アンジオテンシン II 群の 60.7%とプラセボ群の 67.1%で報告された.28 日目までの死亡は,アンジオテンシン II 群 163 例中 75 例(46%)とプラセボ群 158 例中 85 例(54%)に発生した(ハザード比 0.78,95% CI 0.57~1.07,P=0.12).

結 論

アンジオテンシン II は,高用量の従来の昇圧薬に反応しない血管拡張性ショック患者の血圧を効果的に上昇させた.(La Jolla Pharmaceutical Company 社から研究助成を受けた.ATHOS-3 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02338843)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 419 - 30. )