The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 3, 2017 Vol. 377 No. 5

ダビガトラン中和のためのイダルシズマブ ― 全コホート解析
Idarucizumab for Dabigatran Reversal — Full Cohort Analysis

C.V. Pollack, Jr., and Others

背景

モノクローナル抗体フラグメントであるイダルシズマブは,ダビガトランの抗凝固作用を中和するために開発された.

方 法

多施設共同前向き非盲検試験において,止血困難な出血を呈する患者(A 群)と緊急処置を必要としている患者(B 群)において,ダビガトランの抗凝固作用をイダルシズマブ 5 g の静注により中和することが可能かどうかを検討した.主要評価項目は,イダルシズマブ投与後 4 時間以内のダビガトランの抗凝固作用の最大中和効果(%)とし,希釈トロンビン時間またはエカリン凝固時間により判定した.副次的評価項目は,止血機能の回復,安全性の指標などとした.

結 果

503 例を登録し,内訳は A 群 301 例,B 群 202 例であった.希釈トロンビン時間またはエカリン凝固時間に基づくと,ダビガトランの最大中和効果の中央値は 100%(95%信頼区間 100~100)であった.A 群では,137 例(45.5%)が消化管出血,98 例(32.6%)が頭蓋内出血を起こしていた.評価しえた患者での止血までの時間の中央値は 2.5 時間であった.B 群では,予定された処置開始までの時間の中央値は 1.6 時間であり,周術期の止血機能は,93.4%が異常なし,5.1%が軽度異常,1.5%が中等度異常と評価された.90 日の時点で,血栓イベント発生率は A 群 6.3%,B 群 7.4%であり,死亡率はそれぞれ 18.8%,18.9%であった.重篤な有害事象による安全性シグナルは認められなかった.

結 論

緊急を要する状況で,イダルシズマブはダビガトランの抗凝固作用を,迅速に,持続的に,安全に中和した.(Boehringer Ingelheim 社から研究助成を受けた.RE-VERSE AD 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02104947)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 431 - 41. )