The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 19, 2018 Vol. 378 No. 16

内科研修の勤務時間の柔軟性に関する試験における教育面の転帰
Education Outcomes in a Duty-Hour Flexibility Trial in Internal Medicine

S.V. Desai and Others

背景

医学研修プログラムの柔軟性のない勤務時間規定が,医師の研修に悪影響を及ぼす可能性について懸念がある.

方 法

米国の 63 の内科研修プログラムを,2011 年に米国卒後医学教育認定評議会(ACGME)によって定められた標準的な勤務時間方針で実施する群と,シフト時間やシフト間の義務的休息時間に規定を設けないより柔軟な方針で実施する群に無作為に割り付けた.教育経験の指標は,インターン(1 年目の研修医)の活動の観察,研修医(インターンおよびレジデント)と教員を対象とした調査,インターン中の試験の点数などとした.

結 果

インターンが患者への直接的ケアと教育のそれぞれに費やした時間の割合の平均に群間で有意差は認められず,臨床で要求される業務と教育とのバランスが適正であるという研修医の認識(教育に関する研修医の満足度の主要評価項目,回答率 91%)や,研修医の業務量が能力を超えていたかどうかに関するプログラム責任者と教員の評価(教育に関する教員の満足度の主要評価項目,回答率 90%)にも,群間で有意差は認められなかった.インターンを対象とした別の調査(回答率 49%)では,柔軟なプログラムのインターンのほうが,教育の質(オッズ比 1.67,95%信頼区間 [CI] 1.02~2.73),全般的幸福度(オッズ比 2.47,95% CI 1.67~3.65)など,研修に関するさまざまな項目で不満を報告する割合が高かった.一方プログラムの責任者を対象とした調査(回答率 98%)では,柔軟なプログラムの責任者は,ベッドサイド指導の時間の適正さ(オッズ比 0.13,95% CI 0.03~0.49)など,教育機会に関する複数の項目で不満を報告する割合が低かった.研修中の試験の平均点(正答率)は,柔軟なプログラム群では 68.9%,標準的プログラム群では 69.4%であり,この差は非劣性マージンである 2 パーセントポイントを満たさなかった(差 -0.43,95% CI -2.38~1.52,非劣性の P=0.06).

結 論

標準的な勤務時間方針で実施したプログラムと,より柔軟な方針で実施したプログラムとで,インターンが患者への直接的ケアと教育のそれぞれに費やした時間の割合に有意差は認められなかった.柔軟なプログラム群のインターンは,標準的プログラム群のインターンよりも教育経験に関する満足度が低かったが,責任者の満足度は柔軟なプログラム群のほうが高かった.(米国国立心臓・肺・血液研究所,ACGME から研究助成を受けた.iCOMPARE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02274818)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1494 - 508. )