April 19, 2018 Vol. 378 No. 16
アフリカにおける 1 価ロタウイルスワクチン接種後の腸重積の評価
Evaluation of Intussusception after Monovalent Rotavirus Vaccination in Africa
J.E. Tate and Others
複数の高所得国,中所得国における承認後評価により,ロタウイルスワクチン接種と腸重積との関連が認められている.サハラ以南のアフリカの低所得国において,1 価ヒトロタウイルスワクチンと腸重積との関連を評価した.
能動的サーベイランスを用いて,7 ヵ国(エチオピア,ガーナ,ケニア,マラウイ,タンザニア,ザンビア,ジンバブエ)から,国際基準(ブライトンコラボレーションレベル 1)に合致した腸重積患者を登録した.ワクチンカードまたは診療録を再検討して,ロタウイルスワクチン接種状況を確認した.生後 28~245 日の乳児を対象に,ワクチン接種後 1~7 日以内と 8~21 日以内の腸重積のリスクを,症例自身を対照とするケースシリーズ法により評価した.
腸重積を有し,ワクチン接種状況を確認された乳児 717 例のデータを解析した.初回接種後 1~7 日で 1 症例,8~21 日で 6 症例発生した.2 回目接種後 1~7 日で 5 症例,8~21 日で 16 症例発生した.初回接種後 1~7 日における腸重積のリスクは,腸重積の背景リスクと比較して高くなかった(相対的発生率 [他の全期間と比較したリスク期間の発生率] 0.25,95%信頼区間 [CI] <0.001~1.16).2 回目接種後 1~7 日についても結果は同様であった(相対的発生率 0.76,95% CI 0.16~1.87).さらに,接種後 8~21 日または 1~21 日の腸重積のリスクは,初回も 2 回目も,背景リスクと比較して高くないことが示された.
サハラ以南のアフリカの低所得 7 ヵ国において,1 価ヒトロタウイルスワクチン接種後の腸重積のリスクは,腸重積の背景リスクと比較して高くなかった.(CDC 財団による GAVI アライアンスから研究助成を受けた.)