The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

April 26, 2018 Vol. 378 No. 17

脳梗塞に対する血栓除去術前のテネクテプラーゼとアルテプラーゼとの比較
Tenecteplase versus Alteplase before Thrombectomy for Ischemic Stroke

B.C.V. Campbell and Others

背景

脳梗塞に対する血管内血栓除去術を行う前の血栓溶解にはアルテプラーゼの静脈内投与が行われている.アルテプラーゼと比較してフィブリン特異性が高く,作用時間が長いテネクテプラーゼ(tenecteplase)は,ボーラス投与が可能であり,血管の再灌流率が上昇する可能性がある.

方 法

内頸動脈,脳底動脈,中大脳動脈のいずれかに閉塞を認め,血栓除去術の適応がある脳梗塞患者を,発症後 4.5 時間以内にテネクテプラーゼ(0.25 mg/kg 体重とし,上限は 25 mg)を投与する群と,アルテプラーゼ(0.9 mg/kg,上限は 90 mg)を投与する群に無作為に割り付けた.主要転帰は虚血性病変部位の 50%超で再灌流が得られていること,または初回血管造影時に回収可能な血栓がないこととした.テネクテプラーゼの非劣性を検証後,優越性を検証した.副次的転帰は 90 日の時点での修正 Rankin スケールスコア(0 [神経障害なし]~6 [死亡])などとした.安全性転帰は死亡と症候性脳出血とした.

結 果

登録した 202 例のうち,101 例をテネクテプラーゼ群に,101 例をアルテプラーゼ群に割り付けた.主要転帰は,テネクテプラーゼで治療した患者の 22%,アルテプラーゼで治療した患者の 10%に認められた(発生率の差 12 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 2~21; 発生率比 2.2,95% CI 1.1~4.4; 非劣性の P=0.002,優越性の P=0.03).90 日の時点での機能的転帰は,テネクテプラーゼ群のほうがアルテプラーゼ群よりも良好であった(修正 Rankin スケールスコア中央値 2 対 3;共通オッズ比 1.7,95% CI 1.0~2.8;P=0.04).症候性脳出血は各群 1%に発生した.

結 論

脳梗塞患者に対する血栓除去術前のテネクテプラーゼ投与は,発症後 4.5 時間以内に行った場合,アルテプラーゼ投与と比較して再灌流率が高く,機能的転帰が良好であることと関連した.(オーストラリア国立保健医療研究審議会ほかから研究助成を受けた.EXTEND-IA TNK 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02388061)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1573 - 82. )