The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 7, 2018 Vol. 378 No. 23

早期妊娠喪失の内科的管理としてのミフェプリストンによる前治療
Mifepristone Pretreatment for the Medical Management of Early Pregnancy Loss

C.A. Schreiber and Others

背景

早期妊娠喪失の内科的管理は子宮内容吸引術に代わる選択肢であるが,ミソプロストールを用いる標準的な内科的治療は失敗にいたることが多い.早期妊娠喪失の管理として,ミフェプリストン(mifepristone)による前治療を行ってからミソプロストールによる治療を行った場合の有効性と安全性を,ミソプロストールのみを用いた場合と比較した.

方 法

枯死卵,または胚死亡・胎児死亡が確認された女性 300 例を,ミフェプリストン 200 mg の経口投与による前治療後にミソプロストール 800μg を経腟投与する群(ミフェプリストン前治療群)と,ミソプロストール 800μg のみを経腟投与する群(ミソプロストール単独群)に無作為に割り付けた.ミソプロストール投与から 1~4 日後に再受診し,治療割付けを知らされていない医師による超音波検査などの評価を受けた.胎囊が排出されていない女性には,待機的管理,2 回目のミソプロストール投与,子宮内容吸引術のいずれかを行った.全例を無作為化後 30 日間追跡した.主要転帰は,ミソプロストールの単回投与で初回の追跡受診時までに胎囊が排出され,かつ治療後 30 日以内に追加介入が行われないこととした.

結 果

ミソプロストール単回投与後の胎囊の完全排出は,ミフェプリストン前治療群 148 例中 124 例(83.8%,95%信頼区間 [CI] 76.8~89.3),ミソプロストール単独群 149 例中 100 例(67.1%,95% CI 59.0~74.6)で認められた(相対リスク 1.25,95% CI 1.09~1.43).子宮内容吸引術の施行頻度は,ミフェプリストン前治療群のほうがミソプロストール単独群よりも低かった(8.8% 対 23.5%,相対リスク 0.37,95% CI 0.21~0.68).輸血を要する出血が生じた割合は,ミフェプリストン前治療群 2.0%,ミソプロストール単独群 0.7%であった(P=0.31).骨盤内感染症と診断された割合は両群とも 1.3%であった.

結 論

ミフェプリストンによる前治療後にミソプロストール治療を行うと,ミソプロストール単独治療と比較して,妊娠第 1 三半期の妊娠喪失の管理に成功する割合が高かった.(米国国立小児保健・人間発達研究所から研究助成を受けた.PreFaiR 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02012491)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 2161 - 70. )