The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 8, 2018 Vol. 379 No. 19

リンパ系フィラリア症に対する 3 剤治療レジメンの試験
A Trial of a Triple-Drug Treatment for Lymphatic Filariasis

C.L. King and Others

背景

世界保健機関は,リンパ系フィラリア症を,集団薬剤投与戦略によって 2020 年までに世界的に根絶する対象としている.この試験では,イベルメクチン+ジエチルカルバマジン+アルベンダゾールの 3 剤を単回投与するレジメンが,ジエチルカルバマジン+アルベンダゾールの 2 剤を単回投与するレジメンと比較してミクロフィラリアの消失効果が大きいかどうかと,2 剤を年 1 回,3 年間投与するレジメンに対して非劣性を示すかどうかを検討した.

方 法

バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)ミクロフィラリア血症を有するパプアニューギニアの成人を対象とした無作為化比較試験で,182 例の参加者を,3 剤を単回投与するレジメン(60 例),2 剤を単回投与するレジメン(61 例),2 剤を年 1 回,3 年間投与するレジメン(61 例)に割り付けた.試験開始後 12,24,36 ヵ月の時点で,血中のミクロフィラリアの消失を測定した.

結 果

ミクロフィラリアの消失は,3 剤レジメンでは 12 ヵ月の時点で 57 例中 55 例(96%),24 ヵ月の時点で 54 例中 52 例(96%),36 ヵ月の時点で 57 例中 55 例(96%)に認められた.2 剤単回投与レジメンでは,12 ヵ月の時点で 56 例中 18 例(32%),24 ヵ月の時点で 55 例中 31 例(56%),36 ヵ月の時点で 52 例中 43 例(83%)に認められた(36 ヵ月の時点における 3 剤レジメンの 2 剤単回投与レジメンに対する P=0.02).2 剤年 1 回 3 年間投与レジメンでは,12 ヵ月の時点で 59 例中 20 例(34%),24 ヵ月の時点で 56 例中 42 例(75%),36 ヵ月の時点で 52 例中 51 例(98%)に認められた(36 ヵ月の時点における 3 剤レジメンの 2 剤年 1 回 3 年間投与レジメンに対する非劣性の P=0.004).3 剤レジメン群では,2 剤レジメンの 2 群よりも中等度の有害事象の頻度が高かった(27% 対 5%,P<0.001).重篤な有害事象は認められなかった.

結 論

3 剤レジメンは,その治療を受けたほぼすべての参加者において,3 年間にわたり血中のミクロフィラリアの消失が誘導され,2 剤単回投与レジメンに対して優越性を示し,2 剤年 1 回 3 年間投与レジメンに対して非劣性を示した.(ビル&メリンダ・ゲイツ財団から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01975441)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 1801 - 10. )