November 15, 2018 Vol. 379 No. 20
子宮頸癌に対する低侵襲広汎子宮全摘術と開腹広汎子宮全摘術との比較
Minimally Invasive versus Abdominal Radical Hysterectomy for Cervical Cancer
P.T. Ramirez and Others
早期子宮頸癌女性における腹腔鏡下またはロボット支援下の広汎子宮全摘術(低侵襲手術)と開腹広汎子宮全摘術(開腹手術)とで,生存転帰が同等であるかどうかについては,後ろ向き研究による限られたデータしかない.
この試験では,IA1 期(脈管侵襲),IA2 期,または IB1 期の子宮頸癌で,組織型が扁平上皮癌,腺癌,または腺扁平上皮癌の患者を,低侵襲手術を行う群と開腹手術を行う群に無作為に割り付けた.主要転帰は 4.5 年無病生存率とし,群間差(低侵襲手術-開腹手術)の両側 95%信頼区間の下限が -7.2 パーセントポイントより大きい(0 に近い)場合に非劣性が示されることとした.
319 例を低侵襲手術に,312 例を開腹手術に割り付けた.低侵襲手術群に割り付けられ手術を受けた患者の 84.4%が腹腔鏡下手術を受け,15.6%がロボット支援下手術を受けた.全体で,患者の平均年齢は 46.0 歳であった.患者の大部分(91.9%)は IB1 期であった.組織型,脈管侵襲の程度,子宮傍組織浸潤を認めた割合,リンパ節転移を認めた割合,腫瘍径,腫瘍悪性度,術後補助療法を施行した割合は,2 群で同程度であった.4.5 年無病生存率は,低侵襲手術群で 86.0%,開腹手術群で 96.5%であり,差は -10.6 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] -16.4~-4.7)であった.低侵襲手術は,開腹手術と比較して無病生存率が低いことに関連しており(3 年無病生存率 91.2% 対 97.1%,再発または子宮頸癌による死亡のハザード比 3.74,95% CI 1.63~8.58),年齢,体格指数(BMI),病期,脈管侵襲,リンパ節転移について補正後もその差は認められた.また,低侵襲手術は全生存率がより低いことにも関連していた(3 年全生存率 93.8% 対 99.0%,全死因死亡のハザード比 6.00,95% CI 1.77~20.30).
この試験では,早期子宮頸癌女性において,低侵襲広汎子宮全摘術は,開腹広汎子宮全摘術と比較して無病生存率と全生存率が低いことに関連していた.(テキサス州立大学 M.D. アンダーソンがんセンター,Medtronic 社から研究助成を受けた.LACC 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00614211)