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November 15, 2018 Vol. 379 No. 20

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進行乳癌におけるパルボシクリブとフルベストラントによる全生存期間
Overall Survival with Palbociclib and Fulvestrant in Advanced Breast Cancer

N.C. Turner and Others

背景

サイクリン依存性キナーゼ 4 および 6(CDK4/6)阻害薬パルボシクリブは,フルベストラントとの併用によって,ホルモン受容体陽性ヒト上皮成長因子受容体 2(HER2)陰性進行乳癌患者の無増悪生存期間を延長させる.事前に規定した全生存期間解析の結果を報告する.

方 法

ホルモン受容体陽性 HER2 陰性進行乳癌で,先行内分泌療法中に進行または再発した患者を,パルボシクリブ+フルベストラントを投与する群とプラセボ+フルベストラントを投与する群に無作為に割り付けた.全生存期間,事前に規定した層別化因子である内分泌療法に対する感受性の有無・他臓器転移の有無・閉経状態に基づくパルボシクリブの効果,病勢進行後の後治療の有効性,安全性を解析した.

結 果

無作為化された 521 例において,全生存期間の中央値はパルボシクリブ+フルベストラント群で 34.9 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 28.8~40.0),プラセボ+フルベストラント群で 28.0 ヵ月(95% CI 23.6~34.6)であった(死亡のハザード比 0.81,95% CI 0.64~1.03,P=0.09,絶対差 6.9 ヵ月).試験レジメン完了後の CDK4/6 阻害薬の投与は,プラセボ+フルベストラント群の 16%で行われた.先行内分泌療法に対して感受性を示した 410 例における全生存期間の中央値は,パルボシクリブ+フルベストラント群で 39.7 ヵ月(95% CI 34.8~45.7),プラセボ+フルベストラント群で 29.7 ヵ月(95% CI 23.8~37.9)であった(ハザード比 0.72,95% CI 0.55~0.94,絶対差 10.0 ヵ月).後治療の期間の中央値は 2 群で同程度であり,化学療法を受けるまでの期間の中央値はパルボシクリブ+フルベストラント群で 17.6 ヵ月であったのに対し,プラセボ+フルベストラント群では 8.8 ヵ月であった(ハザード比 0.58,95% CI 0.47~0.73,P<0.001).追跡期間は 44.8 ヵ月で,新たな安全性シグナルは認められなかった.

結 論

先行内分泌療法に感受性を示したホルモン受容体陽性 HER2 陰性進行乳癌患者のうち,パルボシクリブ+フルベストラント投与を受けた患者は,プラセボ+フルベストラント投与を受けた患者よりも全生存期間が長かった.試験群全体における全生存期間の差は有意ではなかった.(Pfizer 社から研究助成を受けた.PALOMA-3 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01942135)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 1926 - 36. )