The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 29, 2018 Vol. 379 No. 22

進行トリプルネガティブ乳癌に対するアテゾリズマブと nab-パクリタキセル
Atezolizumab and Nab-Paclitaxel in Advanced Triple-Negative Breast Cancer

P. Schmid and Others

背景

局所進行切除不能または転移性のトリプルネガティブ(ホルモン受容体陰性かつヒト上皮成長因子受容体 2 [HER2] 陰性)乳癌は予後不良な高悪性腫瘍である.ナノ粒子アルブミン結合(nab)-パクリタキセルは,アテゾリズマブの抗癌活性を増強する可能性がある.

方 法

第 3 相試験で,未治療の転移性トリプルネガティブ乳癌患者を,アテゾリズマブと nab-パクリタキセルを併用する群と,プラセボと nab-パクリタキセルを併用する群に(1:1 の割合で)無作為に割り付けた.患者は,病勢進行または忍容できない毒性の発現まで介入を受けた.層別化因子は,術前または術後の補助タキサン療法の治療歴の有無,ベースラインでの肝転移の有無,ベースラインでのプログラム死リガンド 1(PD-L1)の発現(陽性 対 陰性)とした.主要エンドポイントは,無増悪生存期間(intention-to-treat 集団と PD-L1 陽性サブグループで検証)と全生存期間(intention-to-treat 集団で検証し,結果が有意であれば PD-L1 陽性サブグループで検証)の 2 つとした.

結 果

各群に 451 例を組み入れた(追跡期間中央値 12.9 ヵ月).intention-to-treat 解析では,無増悪生存期間中央値はアテゾリズマブ+nab-パクリタキセル群では 7.2 ヵ月であったのに対し,プラセボ+nab-パクリタキセル群では 5.5 ヵ月であった(進行または死亡のハザード比 0.80,95%信頼区間 [CI] 0.69~0.92,P=0.002).PD-L1 陽性腫瘍の患者では,無増悪生存期間中央値はそれぞれ 7.5 ヵ月,5.0 ヵ月であった(ハザード比 0.62,95% CI 0.49~0.78,P<0.001).intention-to-treat 解析では,全生存期間中央値はアテゾリズマブ+nab-パクリタキセル群では 21.3 ヵ月であったのに対し,プラセボ+nab-パクリタキセル群では 17.6 ヵ月であった(死亡のハザード比 0.84,95% CI 0.69~1.02,P=0.08).PD-L1 陽性腫瘍の患者では,全生存期間中央値はそれぞれ 25.0 ヵ月,15.5 ヵ月であった(ハザード比 0.62,95% CI 0.45~0.86).新たな毒性は認められなかった.いずれかの薬剤の投与中止にいたった有害事象は,アテゾリズマブ+nab-パクリタキセル群の 15.9%とプラセボ+nab-パクリタキセル群の 8.2%で発現した.

結 論

アテゾリズマブと nab-パクリタキセルの併用により,転移性トリプルネガティブ乳癌患者の無増悪生存期間が,intention-to-treat集団と PD-L1 陽性サブグループの両方で延長した.有害事象は各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致していた.(F. Hoffmann–La Roche 社/Genentech 社の研究助成を受けた.IMpassion130 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02425891)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 2108 - 21. )