The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 9, 2020 Vol. 382 No. 2

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

経カテーテル大動脈弁置換術後のリバーロキサバンの比較試験
A Controlled Trial of Rivaroxaban after Transcatheter Aortic-Valve Replacement

G.D. Dangas and Others

背景

直接作用型の第 Xa 因子阻害薬リバーロキサバンにより,経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)後の血栓塞栓性イベントを予防できるかどうかは明らかにされていない.

方 法

TAVR 成功後の,経口抗凝固薬の確立された適応がない患者 1,644 例を,リバーロキサバン 10 mg を連日投与(最初の 3 ヵ月間はアスピリン 75~100 mg も連日投与)する群(リバーロキサバン群)と,アスピリン 75~100 mg を連日投与(最初の 3 ヵ月間はクロピドグレル 75 mg も連日投与)する群(抗血小板薬群)に無作為に割り付けた.主要有効性転帰は,死亡または血栓塞栓性イベントの複合とした.主要安全性転帰は,大出血,障害を伴う出血,または生命を脅かす出血の複合とした.試験は,安全性の懸念のため,データ安全性モニタリング委員会により早期に中止された.

結 果

中央値 17 ヵ月の時点で,死亡または初回血栓塞栓性イベント(intention-to-treat 解析)はリバーロキサバン群では 105 例,抗血小板薬群では 78 例に発生した(発生率は 100 人年あたりそれぞれ 9.8 と 7.2,リバーロキサバンのハザード比 1.35,95%信頼区間 [CI] 1.01~1.81,P=0.04).大出血,障害を伴う出血,または生命を脅かす出血(intention-to-treat 解析)はそれぞれ 46 例と 31 例に発生した(100 人年あたり 4.3 と 2.8,ハザード比 1.50,95% CI 0.95~2.37,P=0.08).死亡はリバーロキサバン群では 64 例,抗血小板薬群では 38 例に発生した(100 人年あたりそれぞれ 5.8 と 3.4,ハザード比 1.69,95% CI 1.13~2.53).

結 論

TAVR 成功後の,経口抗凝固薬の確立された適応がない患者において,リバーロキサバン 10 mg の連日投与を含む治療戦略は,抗血小板薬ベースの戦略よりも,死亡または血栓塞栓性合併症のリスクと出血のリスクが高いことに関連していた.(バイエル社,ヤンセンファーマシューティカルズ社から研究助成を受けた.GALILEO 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02556203)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 120 - 9. )