The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 9, 2020 Vol. 382 No. 2

経カテーテル大動脈弁置換術後の弁尖の可動性の低下
Reduced Leaflet Motion after Transcatheter Aortic-Valve Replacement

O. De Backer and Others

背景

大動脈生体弁において,症状を伴わない弁尖の肥厚および可動性の低下が 4 次元 CT で示されている.経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)後のこれらの現象を,抗凝固療法によって低減できるかどうかはわかっていない.

方 法

大規模無作為化試験のサブスタディで,TAVR が成功し,長期抗凝固療法の適応がない患者を,リバーロキサバンベースの抗凝固戦略(リバーロキサバン [10 mg]+アスピリン [75~100 mg] を 1 日 1 回)と,抗血小板薬ベースの戦略(クロピドグレル [75 mg]+アスピリン [75~100 mg] を 1 日 1 回)に無作為に割り付けた.患者は無作為化後平均(±SD)90±15 日の時点で 4 次元 CT による評価を受けた.主要評価項目は,1 つ以上の人工弁尖でグレード 3 以上(すなわち弁尖の 50%超)の可動性の低下が認められた患者の割合とした.弁尖の肥厚についても評価した.

結 果

231 例が登録された.1 つ以上の人工弁尖でグレード 3 以上の可動性の低下が認められた患者は,リバーロキサバン群では評価可能な画像があった 97 例中 2 例(2.1%)であったのに対し,抗血小板薬群では 101 例中 11 例(10.9%)であった(差 -8.8 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -16.5~-1.9,P=0.01).1 つ以上の弁尖に肥厚が認められた患者はリバーロキサバン群では 97 例中 12 例(12.4%),抗血小板薬群では 102 例中 33 例(32.4%)であった(差 -20.0 パーセントポイント,95% CI -30.9~-8.5).主試験では,死亡または血栓塞栓性イベントのリスク,および生命を脅かす出血,障害を伴う出血,または大出血のリスクは,リバーロキサバン群のほうが高かった(ハザード比はそれぞれ 1.35 と 1.50).

結 論

TAVR が成功した,経口抗凝固薬の確立された適応がない患者を対象とした試験のサブスタディにおいて,リバーロキサバンベースの抗凝固戦略は,抗血小板薬ベースの戦略よりも,症状を伴わない弁尖の動きの異常の予防に有効であった.しかし主試験では,リバーロキサバンベースの戦略は,抗血小板薬ベースの戦略よりも死亡または血栓塞栓性合併症のリスクと出血のリスクが高いことに関連していた.(バイエル社から研究助成を受けた.GALILEO-4D 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02833948)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 130 - 9. )