The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

April 2, 2020 Vol. 382 No. 14

急性上部消化管出血に対する内視鏡検査のタイミング
Timing of Endoscopy for Acute Upper Gastrointestinal Bleeding

J.Y.W. Lau and Others

背景

急性上部消化管出血患者は,消化器科コンサルテーション後 24 時間以内に内視鏡検査を受けることが推奨されている.24 時間より短い時間枠内に行われる内視鏡検査の役割は,十分に明らかにされていない.

方 法

再出血または死亡のリスクが高いと予想される患者の転帰が緊急内視鏡検査により改善するかどうかを評価することを目的として, 急性上部消化管出血の顕性出血を認め,Glasgow–Blatchford スコア(0~23 点で,スコアが高いほど再出血または死亡のリスクが高いことを示す)が 12 点以上の患者を,消化器科コンサルテーション後 6 時間以内に内視鏡検査を受ける群(緊急内視鏡群)と 6~24 時間のあいだに受ける群(早期内視鏡群)に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは無作為化から 30 日以内の全死因死亡とした.

結 果

516 例が登録された.30 日死亡率は,緊急内視鏡群で 8.9%(258 例中 23 例),早期内視鏡群で 6.6%(258 例中 17 例)であった(差 2.3 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -2.3~6.9).30 日以内の再出血は,緊急内視鏡群では 28 例(10.9%),早期内視鏡群では 20 例(7.8%)に発生した(差 3.1 パーセントポイント,95% CI -1.9~8.1).消化性潰瘍患者では,活動性出血または露出血管を伴う潰瘍は,初回内視鏡検査で緊急内視鏡群の 158 例中 105 例(66.4%)と早期内視鏡群の 159 例中 76 例(47.8%)に認められた.内視鏡的止血術は,初回内視鏡検査時に緊急内視鏡群の 155 例(60.1%)と早期内視鏡群の 125 例(48.4%)に行われた.

結 論

急性上部消化管出血で再出血または死亡のリスクが高い患者において,消化器科コンサルテーション後 6 時間以内に行われた内視鏡検査は,コンサルテーション後 6~24 時間のあいだに行われた場合と比較して 30 日死亡率が低くなることとは関連しなかった.(香港特別行政区政府食品衛生局保健医療基金から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01675856)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 1299 - 308. )