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日本語アブストラクト

April 23, 2020 Vol. 382 No. 17

冠動脈疾患および進行した腎臓病に対する侵襲的治療後と保存的治療後とでの健康状態の比較
Health Status after Invasive or Conservative Care in Coronary and Advanced Kidney Disease

J.A. Spertus and Others

背景

ISCHEMIA-CKD 試験の主要解析では,安定虚血性心疾患,中等度または重度の虚血,進行した慢性腎臓病(推算糸球体濾過量<30 mL/分/1.73 m2 または透析受療中)を有する患者に最初に血管造影と血行再建+ガイドラインに基づく薬物療法を行った場合(侵襲的戦略),ガイドラインに基づく薬物療法のみを行った場合(保存的戦略)と比較して死亡または心筋梗塞のリスクに有意差は認められなかった.この試験の副次的目的は,狭心症に関連する健康状態を評価することであった.

方 法

シアトル狭心症質問票(SAQ)を用いて,健康状態を無作為化前と 1.5,3,6 ヵ月の時点,その後は 6 ヵ月ごとに評価した.この解析の主要評価項目は,SAQ サマリースコア(0~100 で,スコアが高いほど狭心症の頻度が低く,機能と QOL が良好であることを示す)とした.ベイズ統計の枠組みで累積確率の混合効果モデルを用いて,侵襲的戦略の治療効果を推定した.

結 果

777 例中 705 例の健康状態を評価した.約半数(49%)は,無作為化前の 1 ヵ月間に狭心症の症状がなかった.3 ヵ月の時点における侵襲的戦略群と保存的戦略群の SAQ サマリースコアの差の平均は 2.1 点(95%信用区間 -0.4~4.6)と推定され,侵襲的戦略を支持する結果となった.3 ヵ月の時点におけるスコアの差の平均は,ベースライン時に狭心症症状が日毎または週毎にあった参加者で最大であり(10.1 点,95%信用区間 0.0~19.9),狭心症症状が月毎にあった参加者ではそれより小さく(2.2 点,95%信用区間 -2.0~6.2),狭心症症状がなかった参加者では差がほとんどなかった(0.6 点,95%信用区間 -1.9~3.3).6 ヵ月の時点までに,試験集団全体での群間差は減少した(0.5 点,95%信用区間 -2.2~3.4).

結 論

安定虚血性心疾患,中等度または重度の虚血,進行した慢性腎臓病を有する参加者で最初に侵襲的戦略をとった場合に,保存的戦略をとった場合と比較して狭心症に関連する健康状態に相当の利益または持続的な利益は得られなかった.(米国国立心臓・肺・血液研究所から研究助成を受けた.ISCHEMIA-CKD 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01985360)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 1619 - 28. )