The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

April 23, 2020 Vol. 382 No. 17

進行した腎臓病患者における冠動脈疾患の管理
Management of Coronary Disease in Patients with Advanced Kidney Disease

S. Bangalore and Others

背景

安定冠動脈疾患患者に対する血行再建の効果を評価した臨床試験では,進行した慢性腎臓病患者は通常除外されている.

方 法

進行した腎臓病を有し,負荷試験で中等度または重度の虚血が認められた患者 777 例を,最初に侵襲的戦略として,薬物療法に加えて冠動脈造影と(適応があれば)血行再建を行う群と,最初に保存的戦略として薬物療法のみを行い,冠動脈造影は薬物療法が失敗した場合に行う群に無作為に割り付けた.主要転帰は死亡または非致死的心筋梗塞の複合とした.重要な副次的転帰は死亡,非致死的心筋梗塞,不安定狭心症・心不全・蘇生された心停止による入院の複合とした.

結 果

追跡期間中央値 2.2 年の時点で,主要転帰のイベントは侵襲的戦略群では 123 例,保存的戦略群では 129 例に発生した(3 年の時点での推定イベント発生率 36.4% 対 36.7%,補正ハザード比 1.01,95%信頼区間 [CI] 0.79~1.29,P=0.95).重要な副次的転帰の結果も同様であった(38.5% 対 39.7%,ハザード比 1.01,95% CI 0.79~1.29).侵襲的戦略は,保存的戦略と比較して脳卒中の頻度が高いこと(ハザード比 3.76,95% CI 1.52~9.32,P=0.004),死亡または透析開始の頻度が高いこと(ハザード比 1.48,95% CI 1.04~2.11,P=0.03)に関連していた.

結 論

安定冠動脈疾患,進行した慢性腎臓病,中等度または重度の虚血を有する患者で最初に侵襲的戦略をとった場合に,最初に保存的戦略をとった場合と比較して死亡または非致死的心筋梗塞のリスクが低下するエビデンスは認められなかった.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.ISCHEMIA-CKD 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01985360)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 1608 - 18. )