The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 16, 2020 Vol. 382 No. 3

活動性の全身性エリテマトーデスに対するアニフロルマブの試験
Trial of Anifrolumab in Active Systemic Lupus Erythematosus

E.F. Morand and Others

背景

全身性エリテマトーデス(SLE)の治療のために研究されている I 型インターフェロン受容体サブユニット 1 に対するヒトモノクローナル抗体アニフロルマブ(anifrolumab)は,先行する第 3 相試験では主要エンドポイントに有意な影響を及ぼさなかった.今回の第 3 相試験では,その試験の副次的エンドポイントの 1 つを主要エンドポイントとして用いた.

方 法

患者を,アニフロルマブ(300 mg)群とプラセボ群に 1:1 の割合で無作為に割り付け,4 週ごとに 48 週間静脈内投与した.この試験の主要エンドポイントは 52 週の時点での奏効とし,英国諸島ループス評価グループ(BILAG)による複合ループス評価(BICLA)を用いて定義した.BICLA 奏効の要件は,BILAG 指標において,ベースライン時に中等度~重度であった疾患活動性が低下し,9 つの臓器系のいずれにも悪化が認められないこと,全身性エリテマトーデス疾患活動性指標(SLEDAI-2K)に悪化が認められないこと,医師による疾患活動性の全般評価(PGA)のスコア(0 [疾患活動性なし]~3 [重症] の尺度)に 0.3 点以上の増加が認められないこと,試験介入が中止されていないこと,試験実施計画書で制限されている薬剤を使用していないことであった.副次的エンドポイントは,ベースライン時のインターフェロン遺伝子シグネチャーが高かった患者における BICLA 奏効,ステロイド投与量の減少,皮膚病変の重症度の低下,腫脹・圧痛関節数の減少,再燃の年間発生率などとした.

結 果

362 例が無作為化された介入を受け,180 例がアニフロルマブ,182 例がプラセボの投与を受けた.BICLA 奏効を得た患者の割合はアニフロルマブ群では 47.8%,プラセボ群では 31.5%であった(差は 16.3 パーセントポイント,95%信頼区間 6.3~26.3,P=0.001).インターフェロン遺伝子シグネチャーが高かった患者における奏効割合はアニフロルマブ群では 48.0%,プラセボ群では 30.7%であり,インターフェロン遺伝子シグネチャーが低かった患者ではそれぞれ 46.7%,35.5%であった.他の副次的エンドポイントのうち,アニフロルマブによる有意な利益がステロイド投与量と皮膚病変の重症度には認められたが,腫脹・圧痛関節数と再燃の年間発生率には認められなかった.アニフロルマブの投与を受けた患者の 7.2%が帯状疱疹,12.2%が気管支炎を発症した.アニフロルマブ群では肺炎による死亡が 1 例あった.

結 論

SLE 患者を対象とした主要エンドポイントの異なる類似した第 3 相試験での結果とは対照的に,アニフロルマブの月 1 回投与は,52 週の時点で奏効(複合エンドポイントで定義)を認めた割合がプラセボよりも高かった.帯状疱疹の頻度はアニフロルマブ群のほうがプラセボ群よりも高かった.(アストラゼネカ社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02446899)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 211 - 21. )