The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

January 16, 2020 Vol. 382 No. 3

早産児の神経保護を目的としたエリスロポエチンの無作為化試験
A Randomized Trial of Erythropoietin for Neuroprotection in Preterm Infants

S.E. Juul and Others

背景

高用量のエリスロポエチンには,新生児脳損傷の前臨床モデルでは神経保護作用があることが示されており,第 2 相試験では有効性の可能性が示唆されているが,超早産児に対するこの治療法の利益と安全性は確立されていない.

方 法

高用量エリスロポエチンの多施設共同無作為化二重盲検試験において,在胎 24 週 0 日~27 週 6 日で出生した 941 例の児を,生後 24 時間以内にエリスロポエチンを投与する群とプラセボを投与する群に割り付けた.エリスロポエチンは 1 回 1,000 U/kg 体重を 48 時間ごとに,合計 6 回静脈内投与した.その後維持投与として,400 U/kg の皮下注射を週 3 回,修正齢で満 32 週まで行った.プラセボ投与は生理食塩水の静脈内投与,その後偽注射とした.主要評価項目は修正齢 22~26 ヵ月の時点での死亡または重度の神経発達障害とした.重度の神経発達障害は,重度の脳性麻痺,または Bayley 乳幼児発達検査 第 3 版で複合運動スコアまたは複合認知スコアが 70 点未満(平均値の -2 SD に相当:スコアが高いほど成績が良好であることを示す)と定義した.

結 果

per-protocol 有効性解析の対象は 741 例であり,エリスロポエチン投与を受けた児が 376 例,プラセボ投与を受けた児が 365 例であった.2 歳の時点での死亡または重度の神経発達障害の発生率に,エリスロポエチン群とプラセボ群とのあいだで有意差は認められなかった(97 例 [26%] 対 94 例 [26%],相対リスク 1.03,95%信頼区間 0.81~1.32,P=0.80).未熟児網膜症,頭蓋内出血,敗血症,壊死性腸炎,気管支肺異形成,死亡の発生率にも,重篤な有害事象の発現率にも,群間で有意差は認められなかった.

結 論

超早産児に高用量のエリスロポエチン投与を生後 24 時間から修正齢 32 週まで行っても,2 歳の時点での重度の神経発達障害または死亡のリスクは低下しなかった.(米国国立神経疾患・脳卒中研究所から研究助成を受けた.PENUT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01378273)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 233 - 43. )