The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

June 18, 2020 Vol. 382 No. 25

レニン–アンジオテンシン–アルドステロン系阻害薬と Covid-19 のリスク
Renin–Angiotensin–Aldosterone System Inhibitors and Risk of Covid-19

H.R. Reynolds and Others

背景

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に曝露した患者は,レニン–アンジオテンシン–アルドステロン系に作用する薬剤の使用に関連してリスクが上昇する可能性があるという懸念がある.その根拠はこのウイルスの受容体が,アンジオテンシン変換酵素 2(ACE2)であるためである.

方 法

ACE 阻害薬,アンジオテンシン受容体拮抗薬,β遮断薬,カルシウム拮抗薬,サイアザイド系利尿薬による治療歴と,Covid-19 の検査で陽性または陰性となる確率,および陽性患者における重症化(集中治療,人工呼吸管理,死亡と定義)の確率との関連を評価した.ベイズ法を用いて,これらの薬剤による治療歴のある患者とない患者の転帰を,患者全体と高血圧患者に分け,個々の薬剤クラスの投与に対する傾向スコアをマッチさせて比較した.10 パーセントポイント以上の差を「相当の差」と事前に規定した.

結 果

Covid-19 の検査を受けた 12,594 例のうち,5,894 例(46.8%)が陽性となり,1,002 例(17.0%)が重症化した.4,357 例(34.6%)に高血圧の病歴があり,そのうち陽性となったのは 2,573 例(59.1%)で,うち 634 例(24.6%)が重症化した.1 つの薬剤クラスと,検査で陽性となる確率の上昇とのあいだに関連は認められなかった.検討した薬剤は,いずれも陽性患者における重症化リスクの相当の上昇とは関連しなかった.

結 論

Covid-19 の検査で陽性となる確率や,陽性となった患者で重症化するリスクに,降圧薬の一般的な 5 つのクラスに関連する相当の上昇は認められなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 2441 - 8. )