The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 30, 2020 Vol. 382 No. 5

遺伝性 NOS2 欠損の成人 1 例における致死的サイトメガロウイルス感染
Fatal Cytomegalovirus Infection in an Adult with Inherited NOS2 Deficiency

S.B. Drutman and Others

背景

多様な遺伝性または後天性の T 細胞免疫不全を有する小児および成人は複数の感染症に罹患しやすく,サイトメガロウイルス(CMV)はそのような患者に重症疾患を引き起こす可能性がある.CMV はまた,それ以外は健康な人に疾患を引き起こす可能性もまれにある.特発性の CMV 疾患の成因は明らかにされていない.一酸化窒素合成酵素 2 をコードする遺伝子(Nos2)が欠損した近交系マウスは,類縁のマウス CMV 感染を起こしやすい.

方 法

急性 CMV 感染後に進行性 CMV 感染症を発症し 29 ヵ月後に死亡した,それまで健康であった 51 歳のイラン出身の男性について検討した.患者には新しいタイプの先天性免疫異常が存在した可能性があるという仮説を立て,全エクソームシーケンシングを行い,候補変異アレルを実験的に検討した.

結 果

一酸化窒素を産生しない短縮 NOS2 蛋白をコードする NOS2 にホモ接合型フレームシフト変異が発見され,これにより,患者に常染色体劣性 NOS2 欠損があったことが明らかになった.さらに,公開データベースに認めたホモ接合型の NOS2 変異はすべて機能性蛋白をコードしており,アレル頻度が 0.001 を超えるその他の変異もすべて同様であった.

結 論

これらの結果は,この患者では,遺伝性 NOS2 欠損は致死的 CMV 感染がみられるまでは臨床的に不顕性であったことを示唆している.さらに,この患者における他の病原体の制御に対しては,NOS2 が過剰であった思われた.(米国国立先進トランスレーショナル科学センターほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 437 - 445. )