The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 30, 2020 Vol. 382 No. 5

胃癌の家族歴と Helicobacter pylori 治療
Family History of Gastric Cancer and Helicobacter pylori Treatment

I.J. Choi and Others

背景

Helicobacter pylori 感染と胃癌の家族歴は,胃癌の主な危険因子である.第一度近親者に胃癌の家族歴のある人の胃癌リスクを,H. pylori の除菌治療によって低下させることができるかどうかは明らかではない.

方 法

単一施設二重盲検プラセボ対照試験で,胃癌患者の第一度近親者 3,100 例をスクリーニングした.H. pylori 感染者 1,838 例を,除菌治療(ランソプラゾール [30 mg],アモキシシリン [1,000 mg],クラリスロマイシン [500 mg] をそれぞれ 1 日 2 回 7 日間服用)群とプラセボ群に無作為に割り付けた.主要転帰は胃癌の発生とした.事前に規定した副次的転帰は,H. pylori 除菌状況別の胃癌の発生とし,追跡期間中に評価した.

結 果

1,676 例を主要転帰の解析に用いる修正 intention-to-treat 集団に含めた(除菌群 832 例,プラセボ群 844 例).追跡期間中央値 9.2 年間に,胃癌は除菌群の 10 例(1.2%)とプラセボ群の 23 例(2.7%)に発生した(ハザード比 0.45,95%信頼区間 [CI] 0.21~0.94,log-rank検定で P=0.03).胃癌が発生した除菌群の 10 例のうち,5 例(50.0%)に H. pylori の持続感染が認められた.胃癌は H. pylori が除菌された参加者の 0.8%(608 例中 5 例)と持続感染が認められた参加者の 2.9%(979 例中 28 例)に発生した(ハザード比 0.27,95% CI 0.10~0.70).有害事象は軽度であり,頻度は除菌群のほうがプラセボ群よりも高かった(53.0% 対 19.1%,P<0.001).

結 論

第一度近親者に胃癌の家族歴のある H. pylori 感染者では,H. pylori の除菌治療により胃癌のリスクが低下した.(韓国国立がんセンターから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01678027)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 427 - 36. )