The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

February 13, 2020 Vol. 382 No. 7

重度の ANCA 関連血管炎に対する血漿交換とグルココルチコイド
Plasma Exchange and Glucocorticoids in Severe ANCA-Associated Vasculitis

M. Walsh and Others

背景

抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎には,より有効で安全な治療法が必要とされている.

方 法

重度の ANCA 関連血管炎(推算糸球体濾過量<50 mL/分/1.73 m2 体表面積またはびまん性肺出血があることと定義)の患者に対する血漿交換と経口グルココルチコイドの 2 つのレジメンを評価する目的で,2×2 要因デザインの無作為化試験を行った.患者を,血漿交換(無作為化後 14 日以内に 7 回)を受ける群と受けない群(対照群)に無作為に割り付けた.さらに,経口グルココルチコイドを標準用量レジメンで服用する群と,減量レジメンで服用する群に無作為に割り付けた.患者は,主要複合転帰である全死因死亡または末期腎臓病(ESKD)について最長 7 年間追跡された.

結 果

全死因死亡または ESKD は,血漿交換群 352 例中 100 例(28.4%)と,対照群 352 例中 109 例(31.0%)に発生した(ハザード比 0.86,95%信頼区間 [CI] 0.65~1.13,P=0.27).サブグループ解析でも副次的転帰の解析でも同様の結果であった.グルココルチコイドの減量レジメンの標準用量レジメンに対する非劣性に関しても,11 パーセントポイントの非劣性マージンを用いて評価した.全死因死亡または ESKD は,減量群の 330 例中 92 例(27.9%)と,標準用量群の 325 例中 83 例(25.5%)に発生し(絶対リスク差 2.3 パーセントポイント,90% CI -3.4~8.0),非劣性の基準を満たした.1 年の時点で,重篤な感染症は減量群のほうが標準用量群よりも少なかったが(発生率比 0.69,95% CI 0.52~0.93),他の副次的転帰は 2 群で同程度であった.

結 論

重度の ANCA 関連血管炎の患者では,血漿交換は死亡や ESKD の発生率を低下させなかった.グルココルチコイドの減量レジメンは,死亡や ESKD に関して,標準用量レジメンに対して非劣性であった.(英国国立医療研究機構ほかから研究助成を受けた.PEXIVAS 試験:Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN07757494,ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00987389)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 622 - 31. )