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日本語アブストラクト

September 10, 2020 Vol. 383 No. 11

家族性大腸腺腫症の進行予防のためのエフロルニチンとスリンダクの併用
Eflornithine plus Sulindac for Prevention of Progression in Familial Adenomatous Polyposis

C.A. Burke and Others

背景

家族性大腸腺腫症患者の進行抑制に関して,エフロルニチン(eflornithine)とスリンダクの併用療法の有効性と安全性が,それぞれの単独投与と比較してどうかは不明である.

方 法

家族性大腸腺腫症を有する成人を対象に,エフロルニチンとスリンダクの併用療法の有効性と安全性をそれぞれの単独投与と比較検討した.患者を,ポリープの程度がもっとも悪い解剖学的部位と手術の状態に基づいて次の 3 つに層別化した:結腸切除術前(疾患進行までの予測期間が最短),結腸切除術後で直腸または回腸瘻のポリポーシスあり(予測期間が最長),十二指腸のポリポーシスあり(予測期間が中程度).続いて患者を,エフロルニチン 750 mg 群,スリンダク 150 mg 群,2 剤併用群に 1:1:1 の割合で無作為に割り付け,1 日 1 回,最長 48 ヵ月間投与した.主要評価項目は疾患進行とし,生存時間(time-to-event)解析で評価した.疾患進行は,大手術,進行腺腫の内視鏡的切除,直腸もしくは回腸囊の高異型度腺腫の診断,または十二指腸病変の進行の複合と定義した.

結 果

171 例が無作為化された.疾患進行は,エフロルニチン+スリンダク群の 56 例中 18 例(32%),スリンダク群の 58 例中 22 例(38%),エフロルニチン群の 57 例中 23 例(40%)に認められ,エフロルニチン+スリンダクのスリンダクに対するハザード比は 0.71(95%信頼区間 [CI] 0.39~1.32,P=0.29),エフロルニチン+スリンダクのエフロルニチンに対するハザード比は 0.66(95% CI 0.36~1.24)であった.結腸切除術前の患者 37 例では,疾患進行は投与群ごとにそれぞれ 12 例中 2 例(17%),13 例中 6 例(46%),12 例中 5 例(42%)に認められ(ハザード比はそれぞれ 0.30 [95% CI 0.07~1.32] と 0.20 [95% CI 0.03~1.32]),直腸または回腸囊のポリポーシスを有する患者 34 例ではそれぞれ 11 例中 4 例(36%),11 例中 2 例(18%),12 例中 5 例(42%)に認められ(ハザード比はそれぞれ 2.03 [95% CI 0.43~9.62] と 0.84 [95% CI 0.24~2.90]),十二指腸のポリポーシスを有する患者 100 例ではそれぞれ 33 例中 12 例(36%),34 例中 14 例(41%),33 例中 13 例(39%)に認められた(ハザード比はそれぞれ 0.73 [95% CI 0.34~1.52] と 0.76 [95% CI 0.35~1.64]).有害事象と重篤な有害事象は 3 群で同程度であった.

結 論

家族性大腸腺腫症患者を対象としたこの試験で,エフロルニチンとスリンダクを併用した群の疾患進行率は,それぞれを単独投与した群と比較して有意には低くなかった.(キャンサー・プリベンション・ファーマシューティカルズ社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01483144,EudraCT 登録番号 2012-000427-41)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 1028 - 39. )