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日本語アブストラクト

September 10, 2020 Vol. 383 No. 11

血友病 A に対する BIVV001 融合蛋白を用いた第 VIII 因子補充療法
BIVV001 Fusion Protein as Factor VIII Replacement Therapy for Hemophilia A

B.A. Konkle and Others

背景

第 VIII 因子機能代替製剤によって血友病 A 患者の治療は改善しているが,これらの製剤は半減期が短いため患者の QOL に影響を及ぼしている.遺伝子組換え第 VIII 因子の半減期は,von Willebrand 因子のシャペロン作用のために 15~19 時間である.BIVV001(rFVIIIFc-VWF-XTEN)は,この半減期の上限を克服し,第 VIII 因子活性を高いレベルに維持するようデザインされた新規融合蛋白である.BIVV001 単回投与の安全性と薬物動態に関するデータは不足している.

方 法

第 1・2a 相非盲検試験で,治療歴のある重症血友病 A(第 VIII 因子活性<1%)の男性患者 16 例(18~65 歳)を,遺伝子組換え第 VIII 因子の単回静脈内注射を 25 IU/kg 体重の用量で受ける群(低用量群)または 65 IU/kg の用量で受ける群(高用量群)に,連続的に割り付けた.注射後 3 日以上の休薬期間を設けた.その後,患者は BIVV001 の単回静脈内注射を,遺伝子組換え第 VIII 因子と同量の 25 IU/kg または 65 IU/kg を受けた.有害事象と薬物動態の測定結果について評価した.

結 果

BIVV001 単回注射後 28 日間に,第 VIII 因子インヒビターは検出されず,過敏症やアナフィラキシーは報告されなかった.BIVV001 の半減期の幾何平均値は,遺伝子組換え第 VIII 因子の 3~4 倍であり(低用量群 37.6 時間 対 9.1 時間,高用量群 42.5 時間 対 13.2 時間),製剤への曝露の曲線下面積(AUC)はいずれの用量群でも 6~7 倍であった(低用量群 4,470 時間×IU/dL 対 638 時間×IU/dL,高用量群 12,800 時間×IU/dL 対 1,960 時間×IU/dL).高用量群における BIVV001 注射後の第 VIII 因子の平均濃度は,4 日間は正常範囲内(≧51%),7 日目は 17%であり,投与間隔を 1 週間あけることができる可能性が示唆された.

結 論

重症血友病 A の男性患者を対象とした小規模の早期試験において,BIVV001 の単回静脈内注射により第 VIII 因子活性が高いレベルで維持された.半減期は遺伝子組換え第 VIII 因子に関連する半減期の最大 4 倍であり,BIVV001 が投与間隔を 1 週間あけることのできる新規クラスの第 VIII 因子機能代替製剤となりうることを示唆している.投与後 28 日間に安全性の懸念は報告されなかった.(サノフィ社,ソビ社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03205163)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 1018 - 27. )