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July 2, 2020 Vol. 383 No. 1

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マラウイの胸部陥凹を伴う肺炎の小児に対するアモキシシリンの 3 日間または 5 日間の投与
Amoxicillin for 3 or 5 Days for Chest-Indrawing Pneumonia in Malawian Children

A.-S. Ginsburg and Others

背景

アフリカの資源の少ない環境での,肺炎の小児に対する抗菌薬の適切な治療期間に関するエビデンスは不足している.

方 法

マラウイのリロングウェで,胸部陥凹を伴う肺炎(持続期間が 14 日間未満の咳嗽,または呼吸困難に,明らかな胸壁の陥凹を伴う;年齢に比した多呼吸の有無は問わない)の小児に対するアモキシシリンの 3 日間の投与は,5 日間の投与よりも有効性が低いかどうかを明らかにするため,二重盲検無作為化対照非劣性試験を行った.胸部陥凹を伴う肺炎を有する生後 2~59 ヵ月のヒト免疫不全ウイルス(HIV)陰性の小児を,アモキシシリンを 1 日 2 回,3 日間投与する群と 5 日間投与する群に無作為に割り付けた.児は 14 日間追跡した.主要転帰は 6 日目までの治療失敗とした.3 日間レジメンの 5 日間レジメンに対する非劣性は,3 日間群の治療失敗例の割合が 5 日間群の 1.5 倍を超えない場合に示されるものとした.事前に規定した副次的解析には,14 日目までの治療失敗または再発の評価を含めた.

結 果

2016 年 3 月 29 日~2019 年 4 月 1 日に 3,000 例が無作為化され,1,497 例が 3 日間群,1,503 例が 5 日間群に割り付けられた.6 日目のデータを入手しえた児のうち,治療失敗は 3 日間群の 5.9%(1,442 例中 85 例)と 5 日間群の 5.2%(1,456 例中 75 例)に発生し(補正後の群間差 0.7 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -0.9~2.4),3 日間レジメンの 5 日間レジメンに対する非劣性の基準を満たす結果であった.14 日目のデータを入手しえた児のうち,6 日目までの治療失敗または 14 日目までの再発は,3 日間群の 1,411 例中 176 例(12.5%)と 5 日間群の 1,429 例中 154 例(10.8%)に発生した(群間差 1.7 パーセントポイント,95% CI -0.7~4.1).重篤な有害事象が発現した児の割合は 2 群で同程度であった(3 日間群 9.8%,5 日間群 8.8%).

結 論

HIV 陰性のマラウイの小児では,胸部陥凹を呈する肺炎に対するアモキシシリンによる 3 日間の治療は,5 日間の治療に対して非劣性であった.(ビル&メリンダ・ゲイツ財団から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02678195)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 13 - 23. )