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日本語アブストラクト

October 8, 2020 Vol. 383 No. 15

経カテーテル大動脈弁置換術後のアスピリンへのクロピドグレル併用と非併用との比較
Aspirin with or without Clopidogrel after Transcatheter Aortic-Valve Implantation

J. Brouwer and Others

背景

長期抗凝固療法の適応がない患者の経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)後の出血および血栓塞栓イベントに対して,抗血小板療法を単剤で行った場合と 2 剤併用で行った場合とで効果の十分な比較検討は行われていない.

方 法

無作為化比較試験で,TAVI が予定されている,長期抗凝固療法の適応がない患者サブグループを,アスピリン単独群とアスピリン+クロピドグレル群に 1:1 の割合で割り付け,術後 3 ヵ月間投与した.主要転帰は,12 ヵ月間における全出血(小出血,大出血,生命を脅かすか障害を伴う出血を含む)と手技に関連しない出血の 2 つとした.TAVI の穿刺部出血の大部分は,手技に関連しない出血と判定された.副次的転帰は,1 年の時点における心血管系の原因による死亡・手技に関連しない出血・脳卒中・心筋梗塞の複合(副次的複合転帰 1)と,心血管系の原因による死亡・脳梗塞・心筋梗塞の複合(副次的複合転帰 2)の 2 つとし,いずれも非劣性(非劣性マージン 7.5 パーセントポイント),優越性の順に検定を行った.

結 果

331 例がアスピリン単独群,334 例がアスピリン+クロピドグレル群に割り付けられた.出血イベントは,アスピリン単独群の 50 例(15.1%)とアスピリン+クロピドグレル群の 89 例(26.6%)に発生した(リスク比 0.57,95%信頼区間 [CI] 0.42~0.77,P=0.001).手技に関連しない出血は,それぞれ 50 例(15.1%)と 83 例(24.9%)に発生した(リスク比 0.61,95% CI 0.44~0.83,P=0.005).副次的複合転帰 1 のイベントは,アスピリン単独群の 76 例(23.0%)とアスピリン+クロピドグレル群の 104 例(31.1%)に発生した(差 -8.2 パーセントポイント,非劣性の 95% CI -14.9~-1.5,P<0.001;リスク比 0.74,優越性の 95% CI 0.57~0.95,P=0.04).副次的複合転帰 2 のイベントは,それぞれ 32 例(9.7%)と 33 例(9.9%)に発生した(差 -0.2 パーセントポイント,非劣性の 95% CI -4.7~4.3,P=0.004;リスク比 0.98,優越性の 95% CI 0.62~1.55,P=0.93).試験期間中にそれぞれ 44 例(13.3%)と 32 例(9.6%)が経口抗凝固薬の投与を受けた.

結 論

TAVI が予定されている,経口抗凝固療法の適応がない患者では,3 ヵ月間アスピリンを投与した場合のほうが,アスピリン+クロピドグレルを投与した場合よりも,1 年の時点での出血の発生率,出血または血栓塞栓イベントの複合発生率が有意に低かった.(オランダ健康研究開発機構から研究助成を受けた.POPular TAVI 試験:EU Clinical Trials Register 番号 2013-003125-28,ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02247128)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 1447 - 57. )