慢性尋常性乾癬に対するロフルミラストクリームの試験
Trial of Roflumilast Cream for Chronic Plaque Psoriasis
M.G. Lebwohl and Others
全身性の経口ホスホジエステラーゼ 4(PDE-4)阻害薬は,乾癬の治療に有効であることが示されている.PDE-4 阻害薬を含有するロフルミラスト(roflumilast)クリームは,乾癬の外用治療薬として検討されている.
第 2b 相二重盲検試験で,尋常性乾癬の成人を,ロフルミラスト 0.3%クリーム,ロフルミラスト 0.15%クリーム,基剤のみの(プラセボ)クリームのいずれかを 1 日 1 回 12 週間使用する 3 群に,1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要有効性評価項目は,6 週の時点での医師による全般的評価(IGA;乾癬部位の肥厚,鱗屑,紅斑を 5 段階で評価し,0 は消失,1 はほぼ消失,4 は重症を示す)で,皮疹の消失またはほぼ消失の状態とした.副次的評価項目は,皮疹の消失またはほぼ消失を示す IGA スコア+間擦部の IGA スコアの 2 段階の改善や,乾癬の面積・重症度指数(PASI)スコア(0~72 で,スコアが高いほど重症であることを示す)の変化などとした.安全性も評価した.
無作為化された 331 例のうち,109 例がロフルミラスト 0.3%クリーム,113 例がロフルミラスト 0.15%クリーム,109 例が基剤のみのクリームに割り付けられた.6 週の時点での皮疹の消失またはほぼ消失を示す IGA スコアは,ロフルミラスト 0.3%群の 28%,ロフルミラスト 0.15%群の 23%,基剤群の 8%で認められた(基剤に対し,ロフルミラスト 0.3%は P<0.001,ロフルミラスト 0.15%は P=0.004).全体の約 15%に相当する,ベースライン時の間擦部の皮疹が軽度以上であった患者では,6 週の時点で皮疹の消失またはほぼ消失を示す IGA スコア+間擦部の IGA スコアの 2 段階の改善が認められたのは,ロフルミラスト 0.3%群の 73%,ロフルミラスト 0.15%群の 44%,基剤群の 29%であった.ベースラインの PASI スコアの平均は,ロフルミラスト 0.3%群 7.7 点,ロフルミラスト 0.15%群 8.0 点,基剤群 7.6 点であり,6 週の時点でのベースラインからの変化の平均は,それぞれ -50.0%,-49.0%,-17.8%であった.塗布部位反応の発現頻度は,ロフルミラストの 2 群と基剤群で同程度であった.
乾癬の患部に 1 日 1 回塗布するロフルミラストクリームは,6 週の時点で皮疹が消失またはほぼ消失した状態になる点で,基剤のみのクリームよりも優れていた.乾癬に対するロフルミラストの効果の持続性と安全性を明らかにするには,より長期かつ大規模な試験が必要である.(Arcutis Biotherapeutics 社から研究助成を受けた.ARQ-151 201 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03638258)