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December 10, 2020 Vol. 383 No. 24

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難治性高コレステロール血症患者に対するエビナクマブ
Evinacumab in Patients with Refractory Hypercholesterolemia

R.S. Rosenson and Others

背景

脂質低下療法を最大耐用量で受けているにもかかわらず低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が高い難治性高コレステロール血症患者は,アテローム性動脈硬化のリスクが高い.そのような患者に,アンジオポエチン様因子 3(ANGPTL3)に対する完全ヒトモノクローナル抗体エビナクマブ(evinacumab)を皮下投与した場合と静脈内投与した場合の有効性と安全性は明らかにされていない.

方 法

二重盲検プラセボ対照第 2 相試験で,ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症かどうかにかかわらず難治性高コレステロール血症の患者を登録した.難治性高コレステロール血症は,スクリーニング時の LDL コレステロール値がアテローム性動脈硬化を有する場合は 70 mg/dL 以上,有しない場合は 100 mg/dL 以上とした.患者を,エビナクマブまたはプラセボの,皮下投与または静脈内投与に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,16 週時点における LDL コレステロール値のベースラインからの変化率の,エビナクマブとプラセボとの比較とした.

結 果

272 例を,皮下にエビナクマブ 450 mg を毎週投与する群(40 例),300 mg を毎週投与する群(43 例),300 mg を隔週で投与する群(39 例),プラセボを投与する群(41 例),静脈内にエビナクマブ 15 mg/kg 体重を 4 週ごとに投与する群(39 例),5 mg/kg で4 週ごとに投与する群(36 例),プラセボを投与する群(34 例)に無作為に割り付けた.16 週時点における LDL コレステロール値のベースラインからの変化率の最小二乗平均値の,皮下投与のエビナクマブ群とプラセボ群との差は,450 mg 毎週群で -56.0 パーセントポイント,300 mg 毎週群で -52.9 パーセントポイント,300 mg 隔週群で -38.5 パーセントポイントであった(すべての比較で P<0.001).静脈内投与のエビナクマブ群とプラセボ群との差は,15 mg/kg 群で -50.5 パーセントポイント(P<0.001),5 mg/kg 群で -24.2 パーセントポイントであった.治療期間中の重篤な有害事象の発現率は,試験群全体で 3~16%と幅があった.

結 論

難治性高コレステロール血症患者では,エビナクマブの使用により LDL コレステロール値が有意に低下し,最大用量では50%以上低下した.(リジェネロン・ファーマシューティカルズ社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03175367)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 2307 - 19. )