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December 24, 2020 Vol. 383 No. 26

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パーキンソン病に対する集束超音波視床下核破壊術の無作為化試験
Randomized Trial of Focused Ultrasound Subthalamotomy for Parkinson’s Disease

R. Martínez-Fernández and Others

背景

パーキンソン病の主要な運動症状を治療するための脳深部刺激では,神経外科的標的として視床下核が選好される.集束超音波は,画像ガイド下で,視床下核などの脳深部の構造に治療的病変を作成するための方法である.

方 法

パーキンソン病で症状に著明な非対称性を認め,運動徴候が薬物療法でコントロール不良であるか,脳深部刺激療法が適応とならない患者を,運動徴候優位側の対側に集束超音波視床下核破壊術を行う群と偽処置を行う群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要有効性転帰は,休薬状態での優位側の「運動障害疾患学会・パーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS)」のパート III,すなわち運動スコア(0~44 で,スコアが高いほどパーキンソニズムが重度であることを示す)の,ベースラインから 4 ヵ月の時点までの変化量の群間差とした.主要安全性転帰(手技関連合併症)は 4 ヵ月の時点で評価した.

結 果

組み入れられた 40 例のうち,27 例が集束超音波視床下核破壊術(実治療)群,13 例が偽処置(対照)群に割り付けられた.優位側の MDS-UPDRS III スコアの平均は,実治療群ではベースラインの 19.9 から 4 ヵ月の時点には 9.9 に低下し(最小二乗平均差 9.8 ポイント,95%信頼区間 [CI] 8.6~11.1),対照群では 18.7 から 17.1 に低下し(最小二乗平均差 1.7 ポイント,95% CI 0.0~3.5),群間差は 8.1 ポイント(95% CI 6.0~10.3,P<0.001)であった.実治療群の有害事象として,ジスキネジアが休薬状態で 6 例,投薬状態で 6 例に認められ,4 ヵ月の時点でそれぞれ 3 例と 1 例で持続していた.治療側の脱力が 5 例に認められ,4 ヵ月の時点で 2 例で持続していた.構音障害が 15 例に認められ,4 ヵ月の時点で 3 例で持続していた.顔面脱力が 3 例に認められ,4 ヵ月の時点で 1 例で持続していた.歩行障害が 13 例に認められ,4 ヵ月の時点で 2 例で持続していた.実治療群の 6 例では,これらの障害の一部が 12 ヵ月の時点でも認められた.

結 論

パーキンソン病の非対称性の症状を有する患者の一部において,片側半球に対する集束超音波視床下核破壊術により運動症状が改善された.有害事象として,構音障害,歩行障害,治療側の脱力,ジスキネジアなどが認められた.(インサイテック社ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03454425)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 2501 - 13. )