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August 13, 2020 Vol. 383 No. 7

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未治療の急性骨髄性白血病に対するアザシチジンとベネトクラクス
Azacitidine and Venetoclax in Previously Untreated Acute Myeloid Leukemia

C.D. DiNardo and Others

背景

高齢の急性骨髄性白血病(AML)患者は,メチル化阻害薬による治療後でさえ予後が不良である.アザシチジンにベネトクラクスを追加した場合に有効性が期待できることが,先行の第 1b 相試験で示された.

方 法

AML が確定している患者で,併存疾患を有するか 75 歳以上,あるいはその両方に当てはまるために標準的な導入療法に不適格な未治療の患者を,アザシチジンにベネトクラクスを併用する群とプラセボを併用する群に無作為に割り付けた.全例に標準用量のアザシチジンを投与し(28 日サイクルの第 1 日~第 7 日に 75 mg/m2 体表面積を 1 日 1 回皮下投与または静脈内投与),ベネトクラクス(目標用量 400 mg)またはマッチさせたプラセボを 28 日サイクルで 1 日 1 回経口投与した.主要エンドポイントは全生存期間とした.

結 果

intention-to-treat 集団は 431 例(アザシチジン+ベネトクラクス群 286 例,アザシチジン+プラセボ [対照] 群 145 例)であった.年齢中央値は両群とも 76 歳(範囲 49~91)であった.追跡期間中央値 20.5 ヵ月の時点で,全生存期間中央値はアザシチジン+ベネトクラクス群が 14.7 ヵ月,対照群が 9.6 ヵ月であった(死亡のハザード比 0.66,95%信頼区間 0.52~0.85,P<0.001).完全寛解の割合は,アザシチジン+ベネトクラクス群のほうが対照群よりも高く(36.7% 対 17.9%,P<0.001),複合完全寛解(完全寛解,または血液学的回復が不完全な完全寛解)の割合も同様であった(66.4% 対 28.3%,P<0.001).重要な有害事象は,あらゆるグレードの悪心(アザシチジン+ベネトクラクス群 44%,対照群 35%),グレード 3 以上の血小板減少(それぞれ 45%,38%),好中球減少(42%,28%),発熱性好中球減少症(42%,19%)などがあった.あらゆるグレードの感染症はアザシチジン+ベネトクラクス群の 85%と対照群の 67%に発現し,重篤な有害事象はそれぞれ 83%と 73%に発現した.

結 論

強化化学療法に不適格な未治療の患者では,アザシチジンとベネトクラクスの併用投与を受けた患者のほうが,アザシチジンの単独投与を受けた患者よりも全生存期間が長く,寛解率が高かった.発熱性好中球減少症の発現率は,アザシチジン+ベネトクラクス群のほうが対照群よりも高かった.(アッヴィ社,ジェネンテック社から研究助成を受けた.VIALE-A 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02993523)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 617 - 29. )