The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

August 13, 2020 Vol. 383 No. 7

下肢蜂窩織炎の再発予防のための圧迫療法
Compression Therapy to Prevent Recurrent Cellulitis of the Leg

E. Webb and Others

背景

下肢慢性浮腫は蜂窩織炎の危険因子である.蜂窩織炎の再発予防には日常的に下肢に弾性ストッキング等を着用することが推奨されているが,その効果に関して,臨床試験によるエビデンスは限られている.

方 法

単一施設無作為化非盲検試験で,下肢の慢性浮腫を有し蜂窩織炎を繰り返す参加者を,下肢圧迫療法に加え蜂窩織炎の予防に関する指導を受ける群(圧迫群)と,指導のみを受ける群(対照群)に 1:1 の割合で割り付けた.追跡調査を 6 ヵ月ごとに,最長 3 年,または試験期間中に蜂窩織炎が 45 件発生するまで行った.主要転帰は蜂窩織炎の再発とした.蜂窩織炎が発生した対照群の参加者は,圧迫群にクロスオーバーした.副次的転帰は,蜂窩織炎に関連する入院,QOL 評価などとした.

結 果

183 例がスクリーニングを受け,84 例が登録された.41 例が圧迫群に,43 例が対照群に割り付けられた.中間解析が予定されていた時点,すなわち蜂窩織炎が 23 件発生した時点で,圧迫群では 6 例(15%),対照群では 17 例(40%)に蜂窩織炎が発生しており(ハザード比 0.23,95%信頼区間 [CI] 0.09~0.59,P=0.002;相対リスク [事後解析] 0.37,95% CI 0.16~0.84,P=0.02),試験は有効性を理由に中止された.圧迫群の 3 例(7%)と対照群の 6 例(14%)が蜂窩織炎で入院した(ハザード比 0.38,95% CI 0.09~1.59).QOL 転帰の大半で 2 群間に差は認められなかった.試験期間中に有害事象の発現はなかった.

結 論

下肢の慢性浮腫を有し蜂窩織炎を繰り返す患者を対象としたこの小規模な単一施設非盲検試験では,圧迫療法によって蜂窩織炎の再発率が保存的治療よりも低くなった.(カルバリー・ブルース公立病院から研究助成を受けた.Australian and New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12617000412336)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 630 - 9. )